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オートメーション&産業ネットワークナビ 2017 ダイジェスト版

ホワイトペーパー

IoT時代の産業ネットワークのゆくえ ーいま話題のIO-Linkとエッジコンピューティングー

ものづくりを応援する業界紙「オートメーション新聞」がお送りする、オートメーション・産業ネットワークに特化した小冊子「オートメーション&産業ネットワークナビ 2017」のダイジェスト版です。

主要ネットワークの最新トレンドをはじめ、シーメンス、ロックウェル、ベッコフの取り組みや、フエニックス・コンタクトCEOのインタビュー、パンドウィットのデジタル化時代の工場内ネットワーク構築、日本HPのエッジコンピューティング戦略などをお伝えします。


※ダウンロードされたお客様の情報は弊社プライバシーポリシーに則り協賛企業へ共有させていただきます。あらかじめご了承下さい。

【協賛企業】B&R Industrial Automation株式会社/フエニックス・コンタクト株式会社/ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社/ベッコフオートメーション株式会社/アンフェノールジャパン株式会社/株式会社ピーアンドエフ/ワゴ ジャパン株式会社/日本マイクロソフト株式会社/ハーティング株式会社/ヒルシャー・ジャパン株式会社

このカタログについて

ドキュメント名 オートメーション&産業ネットワークナビ 2017 ダイジェスト版
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
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取り扱い企業 アペルザ (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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オートメーション& Automation & Industr ial Network 産業ネットワークナビ 2017 IoT時代の 産業ネットワークのゆくえ ーいま話題のIO-Linkとエッジコンピューティングー 主要ネットワークの最新トレンド IO-Link、OPC-UA、EtherCAT、FL-net、 ODVA、ORiN、CC-Link、 PROFIBUS、MECHATROLINK、FDTなど シーメンス、ロックウェル、ベッコフの取り組み フエニックス・コンタクトCEOインタビュー パンドウイット、デジタル化時代の工場内ネットワーク構築 日本HPのエッジコンピューティング戦略 株式会社アペルザ オートメーション新聞社
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Perfection in Automation. オートメーションの最先端へ B&R Industrial Automation株式会社 〒220-0011 神奈川県横浜市西区高島1-1-2横浜三井ビル23F TEL: 045-263-8460 / FAX: 045-263-8461 EMAIL: office.jp@br-automation.com WEBSITE: https://www.br-automation.com/ja
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INDEX オートメーション&産業ネットワークナビ Vol.1 I N DEX IO-Link -現場センサ、アクチュエータのためのデジタル通信技術-  IO-Link コミュニティ ジャパン …………… 1~ 2 超高速産業用イーサネット EtherCATについて  EtherCAT Technology Gro…up……………… 3~ 4 マルチベンダ環境を実現する産業用オープンネットワークFL-net 一般社団法人 日本電機工業会 ネットワーク推進特別委員会 …………… 5~ 6 センサ&アクチュエータネットレベルからIIoTまで、共通通信プロトコル「CIPネットワーク」  ODVA TAG Japan ………………7~ 8 「つなげる」から「伝える」「安全に」「活用する」へ  OPC UA (Unified Architecture) ………… 9~ 10 「産業オートメーション向けオープンミドルウェアORiN」  ORiN 協議会 ………… 11 ~ 12 CC-Link IEの最新動向、CC-Link協会の 最新アクティビティ紹介  CC-Link 協会 ………… 13 ~ 14 PROFIBUS・PROFINETの魅力 NPO法人 日本プロフィバス協会 ………… 15 ~ 16 マシンの”鼓動” が聞こえる  MECHATROLINK協会 ………… 17 ~ 18 機器設定の一元化と一括化が可能となるFDT技術  FDT グループ日本支部 ………………… 19 オートメーションネットワーク対応 netIOT Edgeエッジゲートウェイ  ヒルシャー・ジャパン株式会社 ………………… 20 ベッコフが提供するIoTソリューション  ベッコフオートメーション株式会社 ………… 21 ~ 22 IO-Link最新動向  シーメンス株式会社 ………… 23 ~ 24 デジタル化時代の工場内ネットワーク構築のポイント  パンドウイットコーポレーション日本支社 ………… 25 ~ 26 世界50カ国に展開 右肩上がりを続けるフエニックス・コンタクトの強み  フエニックス・コンタクト ………… 27 ~ 28 いま産業分野で広がるエッジ処理とその最新動向  アドバンテック株式会社 ………… 29 ~ 30 現場の人手不足解消のため簡単に遠隔計測制御化 できる無線I/Oシステム「Radioline」  フエニックス・コンタクト株式会社 ………………… 31 ドイツセンサメーカーのインダストリー4.0への取り組み  株式会社ピーアンドエフ ………………… 32 生産工程にIO-Linkセンサを導入するタイミングについての考察  ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 ………………… 33 いま産業分野で広がるエッジ処理とその最新動向 エッジコンピューティングのインテリジェント化  日本ヒューレット・パッカード株式会社 ………………… 34 表紙画像 ssguy/Shutterstock オートメーション&産業ネットワークナビ Vol.1  発行所:株式会社アペルザ オートメーション新聞社   発行日:2017年8月8日    〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町23番地 日土地山下町ビル13F 電 話 : 045 -228 -8873 FAX : 045 -345 -4790       メール : info@automation-news.jp オートメーション新聞WEB版 http://www.automation-news.jp/
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◆◆◆ ネットワーク団体 ◆◆◆ IO-Link -現場センサ、アクチュエータのためのデジタル通信技術- IO-Link コミュニティ ジャパン はじめに  産業用オートメーションにデジタル通信技術が導入されて、す でに 25 年以上となる。工場現場では各種フィールドバス、産 業用Ethernet 等を使用して、多くのオートメーション機器間で、 自由にデータと情報のやり取りができるようになっている。  ただし、オートメーションをさらに進化させるためには、工場 のすべての機器がデジタル通信でつながって、情報を共有する 必要があるが、現実にはまだそうなってはいない。  特に工場現場に一番近いセンサ、アクチュエータは(一般 的に)非常に安いコストで供給されることが求められており、 Ethernet などを使ったデジタル通信機能を搭載すると価格が 高くなってしまう。そのため、工場で多く使用されているにもか かわらず、センサ・アクチュエータまでにはデジタル通信が届い ていないことが多い。 図2 IO-Link システム構成  IO-Linkはこの課題を解決するため、現場の(比較的価格の 図  IO-Linkシステム構成 安い)機器もデジタルネットワークに接続し、測定値、操作値 トで販売されている IO-Linkマスタでサポートされているフィー だけでなく、パラメータデータ、診断データ、そしてイベントの ルドバス、産業用 Ethernet は PROFIBUS、PROFINET、 通信可能にする技術である。IO-Linkのコンセプトはすでにマー Interbus, EtherCAT、Powerlink, EtherNet/IP, Modbus ケットで受け入れられ、2016 年末までに累計 530万台の機器 TCP, SERCOS III, CC-Link, CC-Link/IE、DeviceNet, が全世界で納入された。(図1参照)特に 2015 年と比べると、 AS-Interface, serial, USBなど多彩なプロトコルが用意され 2016 年は納入機器数が20% 以上増えていることに注目いた ている。この多様な接続性が IO-Linkの魅力の1つである。 だきたい。  また、デバイスの種類も エンコーダ、圧力センサ、レベル センサ、温度センサ、近接センサ、超音波センサ、ビジョンセ IO-Link ンサ、流量センサ、距離計、RFIDシステム、低電圧スイッチギ ノード数 ア、真空機器、バルブ、回転機、信号灯など3700 種類以上の 600万 機器がマーケットで販売されている(2017年 3月現在)。 530万台 (写真1参照) 400万 360万台 219万台 200万 図1 IO-Link 累計出荷数 図1 IO-Link累計出荷数 1.IO-Linkとは  IO-Linkシステムではマスタとデバイスを3 本の導線(シール ド不要)を使って1対1に接続する。多くの場合、IO-Linkマ スタはリモート IOまたは制御機器(例 ;PLC)の入出力カード 写真1 ヨーロッパの展示会での IO-Link パネル となっている。マスタは複数のポートを持っており、複数の IO- Linkデバイスと接続する。(図2参照) 2. 技術概写要真1 ヨーロッパの展示会でのIO-Linkパネル  IO-Linkマスタは IO-Linkデバイスと上位の制御機器との間 に位置して、データのやり取りを仲介する。たとえば、IO-Link  IO-Linkの概要仕様は以下のとおりとなる。 マスタがリモート IO の場合、上位通信としてフィールドバス、 (1)Point-to-Point 接続  マスタの各ポートが1個の IO- または産業用 Ethernetとつながることが多い。現在マーケッ Linkデバイス(現場機器)とつながり、中間に機器は接続され ̶ 1 ̶
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オートメーション& 産業ネットワークナビ Vol.1 ない。つまり、マスタとデバイスのPoint-to-Point 接続であり、 バス接続でない。 (2)信号線は 3線式、電源供給も可能 (24V) (3)ケーブル最大長 20m (4)インタフェース部はM12、M8コネクタ、または端子接続 を使うのが一般的。 (5)通信速度 4.8kbps、38.4kbps、230.4kbps の 3 種類 (6)データ更新周期 38.4kbps の通信速度で約 2msecごと にデータ更新 (7)IO-Linkでは以下の4種類のタイプのデータを通信できる。 1) プロセスデータ  現場機器の測定値と操作値であり、周期的に通信される。最大 長は 32 バイト。 2) バリューステータス 写真2 IO-Link のエンジニアリング画面例写真  IO-Linkのエンジニアリング画面例 バリューステータスとはプロセスデータの有効 /無効を示す値で ではハードの接続を統一できる。つまり、ケーブル接続の間違 あり、プロセスデータと共に通信される。 いがなくなる。また、設定と異なる IO-Linkのデバイスをマスタ 3) デバイスデータ に接続するとエラーを出すこともできるので、間違った機器をつ デバイスデータとはパラメータ、機器の識別データ、そして診断 なぐことがなくなる。 データとなる。これらのデータはマスタからのリクエストにより、 (4)センサ、アクチュエータをそれぞれ配線するより、IO-Link 非周期で通信される。 とフィールドバスまたは産業用Ethernetを採用すると、配線工 4) イベント 数が削減できる。 アラーム等のイベントがデバイスで発生した場合、デバイスは マスタにこのイベントを読むようリクエストすることができる。 5. 終わりに  IO-Linkの日本での普及をサポートするために、IO-Linkコミュ 3. エンジニアリングとコンフィギュレーション ニティ ジャパンが2017年 4月に発足した。2017年7月現在、  IO-Link デバイスの仕様を記述するため、それぞれの IO- 24 社が参加しており、 Linkデバイスは IODD(IO Device Description)を提供する。 (1)早稲田大学理工学研究所にて、IO-Link体験コースを月1 IODDには以下の情報が含まれる。 回の割合で開催 ・通信のプロパティ (2)東京、名古屋などで、IO-Linkの概要説明とベンダデモを ・デバイスのパラメータ(レンジとデフォルト値を含めることもできる) 行う IO-Link 紹介セミナの開催 ・機器の識別データ、プロセスデータ、診断データ (3)HPの開設 ・デバイスデータ (4)カタログ、技術資料の公開 ・テキスト記述 (機器の説明) (5)産業オープンネット展、システムコントロールフェア/ 計測 ・機器の画像 展への参加 ・ベンダーのロゴ など、積極的に活動を進めている。  IO-Link マスタに接続される IO-Link デバイスの設定には  繰り返すが、次世代工場では、デジタル技術を今よりもっと IODDを(基本的に)使用する。IODD の構成はすべての IO- 活用するために、工場内のすべての機器がデジタル通信でつ Link 機器で統一されている。したがって、IO-Linkコンフィギュ ながることが求められる。IO-Link は現場に最も近いセンサ・ レーションツールからは異なったベンダーの機器も同じような感 アクチュエータのデータを取り込み、フィールドバス、産業用 じで見ることができる。(写真 2:IO-Linkコンフィギュレーショ Ethernetと共にスマート工場を構築する技術として、ご注目い ンツールの例) ただきたい。 4. IO-Linkを採用するメリット * 記載されている会社名、協会名と製品名につきましては、各社、 各協会の登録商標または商標です。 (1)IO-Linkは使うと、今までアクセスできなかった、センサ・ アクチュエータ内のデバイスデータも監視・設定できるようにな る。たとえば、機器管理パラメータを使って、実際に稼働してい るセンサ・アクチュエータの機器情報(例 :ベンダー名、モデル 名、シリアル番号、バージョン等)を機器自身から読み取るこ 【お問い合わせ】 とができる。工場の中には数千台、数万台のセンサ・アクチュエー IO-Link コミュニティ ジャパン タが存在する。正確な機器情報を持つことは、ラインの安定稼 〒 141-0022 働に欠かせない。また、診断用のパラメータを収集することで、 東京都品川区東五反田 3-1-6 ウエストワールドビル 4F 予知保全に役立てることもできる。 日本プロフィバス協会内 (2)今までセンサ、アクチュエータの接続は、2線式、3線式、 Tel/Fax:03-6450-3739 E-mail: info@io-link.jp HPl: http://www.io-link.jp 無電圧、有電圧など、機器によりさまざまであった。IO-Link ̶ 2 ̶
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◆◆◆ ネットワーク団体 ◆◆◆ 超高速産業用イーサネット EtherCAT について EtherCAT Technology Group EtherCATとは ドではなく、フレームを通過させつつ直接リード&ライトを 行うオンザフライ方式となっています。  EtherCATは現在4410社からなる世界最大の産業用ネッ ■トポロジ トワーク団体です(図 1)。世界地域ごとのメンバーのおお  標準的な EtherCAT スレーブは INと OUTとで合計 2個 よその比率は欧州 40%、北米 15%、アジア 35%と全世界 のポートがあり、EtherCAT マスターポートを起点として にまんべんなく普及しています。この一年間で約 600 社が ディジーチェインで接続するライン型ネットワークが基本で 新しく ETGに参加しました。増加数の半分がアジアとなっ す。スレーブによってはOUTポートが複数個あり、これを ていて、日本、中国、韓国の普及に一段と弾みがついています。 使用して分岐やツリー /スター型のネットワークを構成でき 日本国内では、マスターメーカーや I/Oやサーボシステムを ます。ESC内部には IN ポートからOUTポートを巡回する 開発する機器メーカーだけでなく、半導体製造装置や工作機 ように通信フレームをルーティングする機能があり、ネット 械などの装置メーカー、開発支援会社や自動車産業などのエ ワークケーブルでマスター・スレーブ間を接続すると自動的 ンドユーザーもメンバーとして活動しています。 にリング型の経路が一意に構成されます。EtherCATネット ワーク内に通信フレームを送出できるのは EtherCAT マス 0.4 A50g0endメa ンバー数4410社 6002016→17: ターだけであり、EtherCATスレーブはその通信フレームに 1. ETG Membership 600メンバー増加 4000 Development 2013: 
 対する入出力処理を行い、最後にマスターにフレームが戻る 2. Ad3o50p0tion Rate 毎日1メンバー増加 450 ことで通信が完了します。つまり、通信フレームは全てのス 3. ETG Events Revi3e0w00 & Preview 4. New EtherCAT レーブを巡回した後にマスターに戻ってきます。なお、リン Applications 2500 5. ETG New1s 2Sヶum月maのry グ状の経路を構成するために分岐にスイッチングハブは使用 300 メンバー増加数 6. ET20G00 Team News できません。 1500 2008: 
 1営業日につき1メンバー増加 150 1000 500 0 0 No Ma No Ma Nv y v y o M N M N M N M N M v ay ov ay ov ay ov ay ov a No Ma Ny v y o M N v ay o M N v ay o M v a No Ma No My v y v a No Ma -0 -0 - - - -3 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - y- v- y- 4 04 05 05 06 06 07 07 08 08 09 09 10 10 11 11 12 12 13 13 14 14 15 15 16 16 17 July 2017 © EtherCAT Technology Group 図1 全世界のメンバー数の推移 EtherCATの動作原理 ■ネットワーク階層  フィールドバスは IEC 61158 で標準化されています。こ の規格ではフィールドバスのネットワーク階層として物理 層、データリンク層およびアプリケーション層を定義して います。EtherCAT の物理層およびフレーム形式は完全に 図2 ネットワークトポロジ : ライン /ツリー /スター IEEE 802.3 Fast Ethernet の規格に準拠しています。デー EtherCAT Pの仕様 タリンク層はEtherCATスレーブコントローラ( ESC) が処 理し、アプリケーション層は制御用マイコンのソフトウェア  「EtherCAT P」(図 3)は、ベッコフオートメーション社 で実装します。 が 2015 年 11 月公開した省配線化を実現する新技術です。  物理層には低コストな汎用の Ethernet 部品を使用できま 産業用のイーサネットは100Mbps が主流であり、そのケー す。データリンク層の ESC は複数のメーカーが IC、また ブルは4本(RX+、RX-、TX+、TX-)のワイヤからなるツ は FPGA用 IP コアとして供給しています。ESC は制御用 イステッドクアッドを使用しています。EtherCAT P はこ マイコンと EtherCAT マスター間の通信バッファの制御機 の4本の信号線をシステム電源と I/O電源の供給ラインとし 構として動作し、マスターからの通信フレームに対する入出 ても使用します。24VDCの規格ではそれぞれ最大 3Aまで 力動作をハードウェアで処理します。つまり、制御用マイコ 使用できるM8コネクタ付きケーブルを規定しています。通 ンは周期プロセスデータや非周期メッセージ通信データに対 信用のワイヤと独立した電源供給用のワイヤを 1本のケー し ESC内の通信バッファをライトまたはリードすることで ブルにまとめ、大電圧・大電流容量に対応した規格と専用コ EtherCATマスターとの通信を行うことができ、通信フレー ネクタも提唱されています。EtherCAT P は PoE( Power ムを直接操作するタイムクリティカルな処理は発生しませ over Ethernet) とは異なる技術です。通常の EtherCAT ん。また、ESCによる通信フレームの処理はストア&フォワー ケーブルに電源を重畳させるフィードイン機能付き分岐ス ̶ 3 ̶
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オートメーション&産業ネットワークナビ Vol.1 レーブを使用し、EtherCAT P デバイスを接続します。逆に 日本メンバー数500 社を突破 !! EtherCAT P ケーブルから電源を切り離すモジュールも用意 され、標準 EtherCAT接続と混在できます。IP67 などのデ  ETG の日本の活動は 2005 年から始まり 12 年を経て バイスと組み合わせて、省配線化だけでなく制御盤レス化も 500社目の日本メンバーを迎えることができました。2017 実現できます。 年 7月 6日に開催した ETG日本メンバーミーティングでは  EtherCAT P のスレーブ開発はイーサネットのコネク この記念すべきマイルストーンを祝し、500社目のメンバー タ直後に電源とイーサネット信号とを分離・重畳する回路 である駿河精機株式会社 代表取締役社長 丸井武氏をお招き を組み込むだけです。通信フレームの構造や内容は標準の し、記念の盾と 500 社記念会員証の授与を行いました。駿 EtherCATと全く同じであり、ファームウェアなどこれ以外 河精機株式会社は精密位置決めと光計測技術のリーディング の変更は必要ありません。開発済みの EtherCAT スレーブ カンパニーとして知られています。丸井 武氏は受賞スピー を簡単にEtherCAT P 対応にできます。 チを行い、2年前のドイツ・ハノーバーメッセでEtherCAT EtherCAT P はイーサネットの物理層を拡張しているため、 に出会い、その技術に感銘を受けて導入を決心されたこと、 公式テストセンターによる物理層コンフォーマンステストが 現在では EtherCAT インターフェイスを備えた独自のデバ 必須になります。ユーザーはコンフォーマンステストによっ イスも開発にも着手していることを述べられました。 て仕様準拠を認証済みの製品を使用できます。  ETGの日本のコミュニティは半導体製造装置や自動車産業 に牽引され加速的に拡大しています。EtherCATはオープン な技術であり、ETGのメンバーであれば誰もが EtherCAT 対応製品を開発できます。ETGはユーザーとデバイス開発 の両面でサポートを継続していきます。 イベント情報  ETGでは一般の方を対象にしたセミナーやメンバー向け イベントを開催しています。 日付 場所 名称 対象 8月24日 東京 産業オープンネット展 8月29日 大阪 EtherCATによる制御 一般システム構築のメリット 図3:EtherCATと新技術のEtherCAT P 9月28日 横浜 EtherCAT 開発サポートセミナー メンバー 10月11日 横浜 技術アップデートセーフティ技術セミナー メンバー 10月12,13日 横浜 Plug Fest メンバー 11月30日 東京 SCF出展者セミナーEtherCATの最新動向 一般  開発などの技術的なセミナーやイベントは ETGメンバー が対象です。ETGメンバーは法人として誰でも入会できます。 入会金、年会費は必要ありません。入会を希望される企業の 方はETG日本オフィスまでお問い合わせください。 【お問い合わせ】 EtherCAT Technology Group 日本オフィス 〒 231-0062 神奈川県横浜市中区桜木町 1-1-8 日石横浜ビル 18F Tel 045-650-1610 Fax 045-650-1613 お問い合わせ : info.jp@ethercat.org 技術サポート : support.jp@ethercat.org ウェブサイト : www.ethercat.org/jp.htm 【500社目の授与式記念写真】 ̶ 4 ̶
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◆◆◆ ネットワーク団体 ◆◆◆ マシンの”鼓動”が聞こえる MECHATROLINK協会 1.MECHATROLINK協会について できる貴重な機会を設けている。今年は、バルーフ株式会社様 より、IO-Link の特徴や動向など最新情報や近日リリース予定で  MECHATROLINKをグローバルに普及推進するために2003 あるMECHATROLINK- Ⅲ対応の IO-Link ゲートウェイのご紹 年に仕様が公開され、機器メーカやユーザ、関連企業や教育機関 介も頂いた。また、3000社目にご登録頂いた株式会社ソラコム など様々な法人の参画により構成されている。幹事会社8社を 様による、IoT通信プラットフォームSORACOMのサービス紹 中心に運営されており、展示会イベントを通じてプロモーション 介や事例について講演頂き、3000社目入会記念楯の贈呈セレモ 活動を行っている。また、海外の8地区に支部があり、各国で ニーも行った。総会後に開催した懇親会では、メンバ間交流も盛 現地に密着した技術サポートを展開している。 り上がりをみせ、160名以上のメンバ企業が参加し盛大なイベ ントとなった。 2.会員数 3000 社突破 ! 中国は1500 社超え  MECHATROLINK協会(以下、MMA)の加入企業メンバ数は、 2017年 5月に 3000社を突破した。中国においてはメンバ数 が全体の半数を超えており、アジアNo.1 の規模を誇る団体まで 拡大している。6月末時点では51の国から3030社のメンバに よって構成されており、MECHATROLINKへの強い関心の高さ が表れていると言える。 図3 総会の様子 4.MECHATROLINK 導入のメリット  MMAのキャッチフレーズ「マシンの ”鼓動 ” が聞こえる」の 通り、まさに、MECHATROLINKが装置の ”鼓動 ” を伝達する ことで、その装置が正確・精密に動作できるようになる。  MECHATROLINKはモーション制御を中心に、半導体、液晶、 LEDなど最先端技術をはじめ、工作機械、板金加工、巻線機械、 図1 アジアで伸び続けるメンバ数(2017年 6月末時点) ロボット、食品機械、薬品検査など多くの装置に採用されている。  中国をはじめとするアジア圏を中心として普及が進んでいる MECHATROLINKは、高速な制御周期を必要とする駆動形の オープンフィールドネットワーク 「MECHATROLINK」 は、メ ネットワークと、I/O系のネットワークを1つに統合できるネッ ンバ数の増加と様々な対応製品(マスタ・スレーブ機器)の トワークである。複数のサーボの同期制御や高速な位置決め制御 増加によって様々な装置への適用が拡大している。その結果、 を行いながら、I/Oやセンサからのアナログ入出力などの機器を MECHATROLINKの対応製品の累積出荷ノード数も同様に延び 同一ネットワークに接続することができる。これにより、I/O系 ており、2017年 3月末時点で558万ノードまで増加している。 ネットワークとモーションのネットワークの共通化、マスタの小 型化、設備のコストダウンなどが実現できる。このような点が評 価され、前述のような各種装置への適用が進んでいる。 5.MECHATROLINK が選ばれる理由  数あるネットワークの中で、MECHATROLINKが選ばれる理 由を改めて整理してみよう。 (1) オープン 通信仕様はすべてWEBに公開されており、会員であれば閲覧・ ダウンロードができる。また、誰でも自由にマスタ製品やスレー ブ製品を開発することが可能である。 図2 MECHATROLINKノード数(累積) (2) 高い信頼性 リトライ機能を実装し、通信にエラーが発生しても、その同一伝 3. 注目度の高いMMA 総会 送周期内でASIC が自動的にリトライ処理を行う。これにより、  MMAでは毎年6月に東京で総会を開催し、活動報告および計 非常に信頼性の高い通信が実現されている。 画案などの説明を行っている。同日には基調講演も行い、ものづ (3) 低コスト くりのリーディングカンパニーや注目企業による話を聴くことが MECHATROLINK対応通信ASICのアクセスドライバや、サン ̶ 17 ̶
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オートメーション&産業ネットワークナビ Vol.1 プルプログラムなどは全て無償でWEBからダウンロードするこ くの方にご覧頂き大きな反響を頂いている。 とが出来る。 (4) 容易な開発 7.今後の取り組み フルソフトウェアでの実装とは異なり、マスタ・スレーブそれぞ  MMAはMECHATROLINK を日本発の技術として、その適 れにASICを搭載することで、容易に通信機能を製品に組み込む 用製品と合わせて世界に向けた普及・推進を行っている。2018 ことが可能である。 年 1月には、仕様公開から 15 周年の節目を迎える。更なる (5) 抜群の性能を有するスレーブ機器群 MECHATROLINKの普及とグローバルスタンダード化に向け それぞれの分野で抜群の性能を持った各社のスレーブ機器を選択で て、Industrie4.0 に向けた新しい提案や時代の変化とともにユー き、かつ、容易にスレーブ機器をマスタ機器からコントロールできる。 ザに求められる新しい取り組みなど、更なる拡大に向けた活動を (6) 幅広い品揃え 強化してく方針だ。従来のモーション制御機器だけでなく、各種 PLC・CNC・モーションコントローラなどのマスタ機器や、サー センサや I/Oなど更なる適用製品を強化する。特に今後重要なセ ボモーター、リニアモーター、DDモーター、ステッピングモー ンサの一つであるビジョンに関しては、2016年度より日本イン ター、1軸スライダ、各種 I/O、画像制御、温度制御など、非常 ダストリーイメージング協会(JIIA)との連携を開始するなどと、 に幅広い品揃えがある。世界を代表する各社メーカから製品が出 モーション制御だけでなく、センサなど含めたトータルシステム ており、それらを接続することが出来る。 提案やソリューション提案をコンセプトにした新デモ機も増やし (7) 日本発 ていく。 MECHATROLINKは日本発の通信技術である。従って、日本メー カからの対応製品が多く、日本人が日本語でサポートするので安  8.SCF2017への出展 心して使用することができる。  MMAでは、各国での展示会出展やセミナー開催を通じて、 (8) 国際標準規格(SEMI 規格、IEC規格、GB規格) MECHATROLINKの PRやメンバによる対応製品の紹介を実施 2014 年 8 月に IEC61158 および IEC61784 のひとつとし している。今年のシステムコントロールフェア2017は、過去 て追加登録され、国際標準規格のネットワークとして認めら 最大規模の16小間で出展し、最新の Industrie4.0 への取り組 れている。2016 年 4月には、中国国家標準化管理委員会に みの提案をコンセプトにしたデモ機や、メンバ企業による新製品 より、2016 年第 7 号中国国家標準公告(2016/4/25)に 展示などを予定している。出展社セミナーも行い、最新情報を積 MECHATROLINKの対象標準が掲載され、2016年 11月から 極的に発信していく計画だ。 施行開始となった。   ま た、 海 外 の 展 示 会 に も 継 続 的 に 出 展 し て お り、 (9) 世界的なサポート MECHATROLINKによる接続性のデモ展示を行い、ローカル 中国、韓国、台湾、アメリカ、ドイツ、インド、ASEANの各支 メーカを含んだ展開や実機説明を通じてメリットを実感して頂き 部でも世界各地で日本と同様のサポートを受けることが出来る。 採用実績も増え続けている。 6. Industrie4.0 への取り組み  MECHATROLINKが持つ高速同期性に加え、昨今の潮流であ る Industrie4.0(第 4次産業革命)対応の提案を行っている。 MECHATROLINK-III が持つメッセージ通信機能を使った各機 器の見える化に加え、その情報をM2M機器によりクラウドま で繋げることで、各機器の情報を遠隔地からでも確認・調整が 可能になる。これにより装置立ち上げの容易性や、ランニング 後のメンテナンス性向上が実現できる。まさに「マシンの ” 鼓 動 ”が聞こえる」というキャッチフレーズを具体化したといえる。 MECHATROLINK採用によるメリットをわかりやすく理解して 図5 システムコントロールフェア2015( 実績 ) 頂くために、MMAメンバ製品のコラボレーションによるコンセ 9. 入会のご案内 プトデモ機やカタログを用意し、各イベントで展示している。多  MMAに入会については、入会金や年会費は一切かからず 「無料」となっており ( 情報会員 )、誰でも最新情報の入手や 採用検討ができる。申込やお問い合わせは、協会ウェブサイ トより随時受け付けているので、是非活用いただきたい。 【お問い合わせ】 MECHATROLINK 協会 〒 358-0013 埼玉県入間市上藤沢 480 電話 :(04)2962-7920 Email: mma@mechatrolink.org U R L : www.mechatrolink.org 図4 メッセージ通信を活用した提案 ̶ 18 ̶
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オートメーション&産業ネットワークナビ Vol.1 ●●● 寄 稿 ●●● 生産工程にIO-Linkセンサを導入するタイミングに ついての考察 ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 セーフティ&センサ製品担当プロダクトマネージャー 土居田 修平  IoTやコネクテッド・インダストリーズの導入のひとつの要素として、センサのスマート化があげら れます。スマートセンサは標準的なセンサと異なり、機械装置の効率的な稼動に必要なデータを提 供します。スマートセンサから取得されたデータは製造実行システム(MES)など上位システム全体 で活用することが可能になります。 スマートセンサ導入の優先度 械に極端な温度変化がある場合に役立ちます。例えば冷凍庫 を使用する食品加工機械の場合、機械の外部には、ギアやコ  スマートセンサによって製造工程をより詳細に把握できま ンベアが一定速度で動作しているかどうかをモニタする近接 すが、工場フロアのすべてのセンサを一度にスマートセンサ センサ付きのギアがあります。このセンサや取付けブラケッ に交換するのは困難です。まずは、すぐに汚れたり、定期的 トが度々凍結すると、ブラケットが曲がってセンサヘッドを にパラメータ変更が必要になるセンサが、「スマート」セン 損傷してしまいます。この場合、センサの交換が必要となる サへの交換候補となります。また、スマートセンサが適して だけでなく、品質保証担当者が出向いて製品が基準を満たし いると思われるその他の例として、センサが損傷する可能性 ているか、基準を超えているかを確認しなければならなくな が高い使用環境が挙げられます。 ります。そのため、製造ラインの長時間停止による製品出荷 センサが損傷する前に検知 の遅れが発生し、多大な損失が生じます。 センサの内部温度をモニタすることで予知保全が可能とな  センサによっては、検知する物体との接触によって損傷し り、製造ラインの長時間停止および品質保証担当者が製品テ やすい場合があります。破損の可能性が最も高いのは、セン ストを実施する必要がなくなります。センサの損傷によるダ サとターゲットを非常に接近させる必要がある誘導性近接セ ウンタイムの損失を理解することが、スマートセンサに置き ンサです。実際に、センサとターゲットの衝突がセンサ故障 換えるか否かの判断材料となります。 の 1番の原因です。通常の機械の摩耗や破断によってでも ターゲットがセンサに接近しすぎることがあり、この結果、 センサ面との接触や損傷を招きます。  現在のスマートセンサは、ターゲットがセンサに接近しす ぎるとユーザにアラートを送信するため、損傷が発生する前 に調整が可能です。さらに、当社の IP67 IO-Link マスタに 搭載されたタイムスタンプ機能はイベントに時刻と日付を付 加するため、センサイベントをピンポイントで特定できます。 これにより、機械オペレータはセンサが故障する「前に」障 害を認識できます。メンテナンスは通常のメンテナンスサイ クル内で行なうことができるため、機械のダウンタイムを極 力減らすことが可能です。センサや機器からの入力値の変化 には、IO-Link マスタによってすべてタイムスタンプが付加 されます。 ロックウェル・オートメーションのスマートセンサ  弊社のスマートセンサは、スマートマシンやスマートマ ニュファクチャリングを支援します。お客様の生産工程に対 応するスマートセンサについては、弊社までご相談ください。 また、弊社の IO-Link 対応スマートセンサの詳細は、弊社の 生産工程の温度計測 ホームページをご覧ください。  当社の近接スマートセンサは、内部温度パラメータをコン http://ab.rockwellautomation.com/allenbradley_ja/ トローラにて常時モニタする事ができます。この機能は、機 networks/io-link.page ̶ 33 ̶
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手のひらサイズでマルチコア搭載 超小型産業用PC C6015 www.beckhoff.co.jp ■最大4コアのIntel®Atom™を搭載 ■ファンレス ■動作保証温度0℃~最大55℃ ■取付方向自由・省スペースへの設置 ■サイズ:幅40×高さ82×奥行82mm ■重さ:約300g ■TwinCATとの組合せでEtherCATのリアルタイム制御可能
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