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これからの主役は中小製造業!「Industry4.0・IoTナビ」Vol.4【完全版】

製品カタログ

課題山積みだが、飛躍のチャンスも

ものづくりを応援する業界紙・オートメーション新聞の別冊「Industry4.0・IoTナビ」【完全版】は、インダストリー4.0やIoT、スマートファクトリーに関する各種情報をまとめたムック本です。

第4弾となる今回は、なかなかデジタル化に踏み切れない中小製造業にスポットを当て、身の丈にあったIoT取り組み事例や、工作機械各社の取り組み、簡単導入「工場見える化パッケージ」など、注目企業のインタビューとともに多数掲載しています。

<掲載内容>(一部抜粋)
○中小企業のデジタル化と第4次産業革命。ヒトと金の問題解決に向けて
○IoTは早急に着手を〜日本には活用できる風土が既にある〜(日本マイクロソフト)
○IoTで「見える化」の推進とヒューマンエラー「ゼロ」を目指して(富士通マーケティング)
○IoTで関心高まる工場内の無線ネットワーク など


※ダウンロードされたお客様の情報は弊社プライバシーポリシーに則り協賛企業へ共有させていただきます。あらかじめご了承下さい。

【協賛企業】B&R Industrial Automation株式会社/ダッソー・システムズ株式会社/株式会社富士通マーケティング/KUKAロボティクスジャパン株式会社/ヤマハ発動機株式会社/日本マイクロソフト株式会社

このカタログについて

ドキュメント名 これからの主役は中小製造業!「Industry4.0・IoTナビ」Vol.4【完全版】
ドキュメント種別 製品カタログ
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2017年9月13日発行 オートメーション新聞
ホワイトペーパー

オートメーション新聞社

このカタログ(これからの主役は中小製造業!「Industry4.0・IoTナビ」Vol.4【完全版】)の内容


Page 1:別冊インダストリー4.0、IoTこれからの主役は中小製造業ー課題山積みだが、飛躍 のチャンスもーIndustry4.0, IoT, Industrial Internet, Smart Factory日本マイクロソフト、PTCジャパン中小製造業のデジタル化の現状と課題実現に向けたツールと支援策工作機械メーカー各社、IoTへの新展開日本版インダストリー4.0コンセプト決定ベライゾン、アドバンテックのIoT戦略IoTで関心高まる工場内の無線ネットワークインタビューVol.4Industry4.0−IoTナビ

Page 2:Perfection in Automation.オートメーションの最先端へB&R Industrial Automation株式会社〒220-0011 神奈川県横浜市西区高島1-1-2横浜三井ビル23FTEL: 045-263-8460 / FAX: 045-263-8461EMAIL: office.jp@br-automation.comWEBSITE: https://www.br-automation.com/ja
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Page 3:INDEXインダストリー 4.0-IoT ナビ Vol.4I N D E X中小製造業のデジタル化と第4次産業革命。ヒトと金の問題解決に向けて中小製造業、身の丈にあったIoT取り組み事例 既存設備の活用、経験と勘の形式知化など、日本産業の目指す姿 Connected Industries 発表 ハノーバー宣言、日独で第4次産業革命で連携強化工作機械各社、IoTの取り組み本格化へ IoTプラットフォーム、製品・サービスの高度化など各社各様IoTは早急に着手を 〜日本には活用できる風土が既にある~ 菖蒲谷 雄 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 IoTデバイス本部長製造業のサービス化に向け2017年はIoT+SLM、ALMに注力 宍戸 武士 PTCジャパン株式会社 執行役員社長IoTで製造現場の「見える化」の推進とヒューマンエラー「ゼロ」を目指して株式会社富士通マーケティングCeBIT2017からの警告「周回遅れ」の日本中小製造業 【デジタル変革】への道しるべ 高木 俊郎 株式会社アルファTKG 代表取締役社長FAプロダクツ、SmartFactory化の第一歩を支援 簡単導入「工場見える化パッケージ」開発米・ベライゾンのデジタルトランスフォーメーション戦略ブラック・ダック・ソフトウェア、製造業におけるOSSの利用状況とセキュリティ分析レポートアドバンテック、次世代IoT戦略 産業機器、IoT向けOSにLinuxやAndroid推進もIoTで関心高まる工場内の無線ネットワーク どんな周波数帯を、どんな用途に使うのが良いのか?……………………………………………… 1 〜 2……………………………… 3……………… 4…………… 5 〜 6………………………………………………………………… 7………………………………………………………………… 8…………………………………………… 9 〜 10…………………………… 11 〜 13…………………………… 14…………………………………………………………… 15 〜 16………………………… 17…………………………………… 18…………… 19 〜 20発行所:株式会社アペルザ オートメーション新聞社   発行日:2017年6月23日   価 格:1000円 税〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町23番地 日土地山下町ビル13F 電 話 : 045-228-8873 FAX : 045-345-4790      メール : info@automation-news.jp オートメーション新聞WEB版 http://www.automation-news.jp/インダストリー4.0-IoTナビ Vol.4 

Page 4:中小製造業のデジタル化と第4次産業革命ヒトと金の問題解決に向けてい」と感じている現場担当者もよく見かける。また、「現場やものづくりは門外漢で分からない」という IT 担当者や IT企業はたくさんある。 経営トップと現場の両方が、デジタル化によって何ができ、どんな効果があるのかを理解し、それを実現するためのステップを学ぶこと。さらに、そこに必要な技術や製品、サービスを知り、そこに適切な予算を確保すること。さらには、中小企業で不足していると言われる IT人材の確保。これらを解決しなければ、中小企業がデジタル化し、時代の潮流に乗って利益体質になるのは難しい。 第4次産業革命とは何か?デジタル化や IoT、スマートファクトリーはどう実現し、その効果はどれほどなのか。それが不明確だと第一歩を踏み出すのは難しい。WEB や新聞、雑誌から多くの情報が出され、関連した展示会やセミナーなども多く開催されている。さらには、デジタル化や IoT 化に向けたサービスやソリューションを提供する企業も数多く出てきている。 それらを使うことはもちろんだが、より低コストで気軽に情報を仕入れる、相談する場合は、国や行政が行っているサービスが役に立つ。 経済産業省は 2016 年度から、全国各地で中小企業の第4次産業革命を支援するための相談窓口として「スマートものづくり応援隊」の整備を開始。生産技術に秀でた企業 OB や、IoT やロボット等に知見のある専門人材を中小企業に派遣し、一緒になって改善策や技術を考え「伴走型」で支援するサービスを提供し、現在、全国 21 拠点で活動している。 例えば、福岡県北九州では北九州産業学術推進機構(FAIS)に拠点を置いて活動を開始。生産技術とロボット技術に通じたコーディネータ2名が連携し、中小企業の生産性向上を実施。IoT やロボットを前提とせず、経営課題の特定、現場改善や「カラクリ」で済むところはそれで済ませる方針が企業からは好評を得ている。経営者や管理者向けに「IoT・第4次産業革命研究会」を実施し、経営者や工場長ら14 人が参加し、トップダウンの意識醸成を推進している。 大阪の拠点である大阪商工会議所では「IoT・オープンネットワーク活用研究会」を開催し、課題の特定や IoT に関心のある企業同士のネットワーク化を実施。17年度は IoTカリキュラムをより実践的なものに高度化したいとしている。 第4次産業革命は、デジタルトランスフォーメーションとも言われ、モノ売りからコト売り、製造業のサービス化などビジネス構造を大きく変えている。それによって製造業における収益モデルが変わり、売上を上げる手段とコストダウンへの余地が新たに生まれている。そこをどう捉え、どう自社の収益改善に取り込んでいくかがポイントになる。 売上アップに関しては、IoT などさまざまなデジタルツールを駆使し、製品の機能や性能、品質を上げて製品力をアップし、販売量や値上げなどによって利益率を高めるような製品売り切りモデルが進化している。さらに、設備や工程から集めたデータを活用した予兆保全や生産効率化のソリューションの展開といった新サービスにつなげている企業も出てきている。外部企業との協業による他分野への展開など、既存事業の拡大と新規サービスや分野に取り組むことも盛んに始まっている。 また一方で、生産性向上によるコストダウンも収益改善の大きな柱となる。デジタルツールを使った各工程の効率化をはじめ、設計から製造、保守保全まで一貫した管理による工場内の最適化、工場とオフィスの情報共有、工場間やパートナー企業との連携などを通じて、製造におけるムダを減らして収益改善につなげていく。売上拡大とコストダウンの両面に取り組むことが大切だ。 中小製造業でもスマートファクトリーや IoT、デジタル化への関心が高まっているが、その最も高い壁となっているのが「ヒト」と「金」の問題だ。 デジタル化は経営からのトップダウンと、現場からのボトムアップの両面から実行することが肝要。また実現するためには情報系の IT 技術と、現場系の OT(オペレーションテクノロジー)の協力が不可欠となる。その人材と、その理解が圧倒的に足りていないのが実情だ。 時代の流れがデジタル化に傾いていることを理解しながらも、「効果が分からないものに対して投資はできない」「どのようにやればいいか分からない」「IT 人材も不足しているのにIoT なんてとんでもない」という経営者は多い。また、「経営者や上司がとりあえず IoT 化と言っているが、具体的に何をすればいいか分からない」「予算がない」「IT 側の知識が足りな第4次産業革命で製造業に大きなデジタル変革の波が押し寄せるなか、大企業は組織変革や新たなサービス化とそれに向けた投資、海外への事業展開など経営の軸をデジタルにシフトしている。一方、日本の製造業の9割を占めると言われる中小製造業は、人材の不足や設備投資の負荷などから、高い関心がありながら、なかなかデジタル化に踏み切れていないのが実情だ。それを解決するにはどうすればいいのか?潮 流デジタル化で収益を上げるとは第4次産業革命、デジタル化を知る、相談する中小企業のデジタル化への課題— 1 —

Page 5: 岐阜県大垣市のソフトピアジャパンでは、もともと IT 産業が盛んな地域で、IT 人材がものづくりを学ぶことによって、製造現場と IT の知見を持った人材育成を推進している。すでに3社を支援し、IT と製造、ベテランと若手が融合したチームが機能している。このうち1社では工場建替を機にスマート工場化も検討されているという。 さいたま市産業創造財団では、改善活動に取り組む企業に対して、従来型の改善支援に IoT 活用を加えたチームによる支援体制を実施。アドバイザーが6社を支援し、参加企業側も若手とベテラン、管理・製造部門が一体となった改善・IoT 活動を実施して課題を整理。各社で工数の削減やリードタイムの減少、品質管理の効率化などの課題を整理、今後の方針を明確化できたという。■スマートものづくり応援隊活動拠点一覧山形県 山形大学栃木県 足利商工会議所群馬県 群馬県産業支援機構埼玉県 さいたま市産業創造財団東京都 日本電子回路工業会神奈川県 横浜企業経営支援財団新潟県 長岡産業活性化協会NAZE福井県 ふくい産業支援センター長野県 諏訪圏ものづくり推進機構岐阜県 ソフトピアジャパン静岡県 静岡県産業振興財団愛知県 愛知県幸田町三重県 三重県産業支援センター滋賀県 滋賀県産業支援プラザ大阪府 大阪商工会議所大阪府 大阪府産業支援型 NPO 協議会和歌山県 わかやま産業振興財団広島県 ひろしま産業振興機構福岡県 北九州産業学術推進機構佐賀県 佐賀商工会議所大分県 大分県産業創造機構※参考:スマートものづくり応援ツール一覧h t t p s : // w w w . j m f r r i . g r. j p / c o n t e n t / f i l e s /Open/2016/20160928_Iot-Tools-Result/IoT-TooL-List.pdf 実際に IoT やデジタルツールを導入してスタートしたいと言っても、そこには設備投資が発生する。資金力に乏しい中小製造業にとって、低価格で簡単に導入して始められることが大前提になる。 経産省とロボット革命イニシアティブ協議会は、中堅・中小製造業がより簡単に、低コストで使えるツールとして「スマートものづくり応援ツール」106 件を認定し、公表している。 同ツールは、目的別に「1. 生産現場における課題を解決するためのツール」「2. 工場や企業の間で情報連携をする際の課題を解決するためのツール」「3. 事務における課題を解決するためのツール」「4. グローバル化に伴い、海外で展開するために役に立つツール」「5. 自社製品をIoT化するためのツール」「6. データの活用全般に関わるツール」「7. 人材育成の観点で活用できるツール」の 7 つのユースケースをテーマに収集したもの。 例えば、武州工業の「スマートフォンを利用した機械動作情報収集装置」は、スマートフォンなどの端末に内蔵されている加速度センサーとWebサーバー上のプログラムを連動させて作業状況の見える化を行う。端末は5年ほど前の旧機種でも快適に動作するためコスト数千円 / 台での導入できる。 サンクレエの「写真 de 在庫管理」は、従来は手書きやEXCEL への入力で行っていた在庫管理をスマートフォン入力で代用。バーコードやRFID、各種機器等の大きな投資がいらず、スマートフォンで月 5000 円から購入したその日から利用できる。 デジタル化には新たな基盤やツールなどが必要で、そのための資金確保もしなければならないが、各種補助金や支援制度が整備されている。 日本政策金融公庫は今年4月から、中小製造業が IoT を導入して付加価値向上に取り組む際の設備資金を、低利で融資する制度「IoT 財投」を新設。スマートものづくり応援隊など専門家の支援と組み合わせて融資することで、各企業の経営環境に見合った投資を実現できる環境を整備した。最大7.2億円の貸付け、基準金利より 0.65 ポイント優遇を行っている。 また経済産業省は、中小企業が IT・IoT ツールを導入し、生産性向上を図る際の必要経費を補助する「IT 導入補助金」を新設。上限100 万円で、補助率は 2/3。CAD や ERP など、製造業向けのソフトウェアにも活用できる。募集期間は 6 月30 日までとなっている。 また新たな補助制度として、省エネ補助金における「ものづくり IoT」の支援を予定している。省エネ法に基づく告示を改正して製造現場で IoT を活用した先進的な省エネに中長期的に取り組む事業者に対しては優遇策を検討。 また、すでにある新連携支援事業(商業・サービス競争力強化連携支援事業)とサポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)に対して、IoT を活用した新事業も対象としている。手軽で低コストで使えるデジタル化ツールIoT 導入や活用に向けた金融支援策インダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4— 2 —

Page 6:中小製造業、身の丈にあったIoT取り組み事例既存設備の活用、経験と勘の形式知化など潮 流インダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4 中小製造業はどのようにデジタル化を進め、どんなツールを使えばいいのか?その指針を自ら見いだすのは難しい。ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)は、「IoT による製造ビジネス変革」ワーキンググループで、中小製造業の身の丈にあったデジタル化や IoT の取り組みを募集し、全国から集まった 40 の事例を公開している。No. タイトル 事例実施企業 地域 紹介企業1 IoT による工場内漏水監視システム みなと山口合同新聞社下関印刷センター 山口2 金型製造企業における受注・外注・進捗管理システム 聖徳ゼロテック 佐賀 産業技術総合研究所3 目で見る生産「もの」と「ひと」を動かさない仕組み作り 富士精密 栃木 オーパシステムエンジニアリング4 中小製造企業向けIoTの開発導入による生産性向上と利益体質強化 光電子 宮城 コー・ワークス5 タブレット端末での作業実績収集と設備稼働監視による QCD の向上 飯山精器 長野6 最適なスタンディングデスク導入を支援する IoT デバイス -aiko- MEMOテクノス 神奈川7 多品種少量・短納期に対応するメッキ加工業務システムをクラウド生産管理サービスを利用して実現 ヒキフネ 東京 東京 IT 経営センター8 インターネットを介した電極打抜き用量産金型の異常動作検出 野上技研 茨城9 人の動きを保証する「動作ポカヨケ」で、さらなる品質向上へ 岐阜車体工業 岐阜 岐阜県情報技術研究所10 放射性医薬品の Business b-ridge による緊急時配送状況提供サービス 日本メジフィジックス 東京 東洋ビジネスエンジニアリング11 合わせ硝子製造工程の見える化・最適化及び効率20%アップ 三芝硝材 富山12 IoT を用いたシステムによる砕石製造プロセスの効率的な維持管理 住吉工業 山口13 無線温度センサーと送風機制御による堆肥製造システムの見える化 バイオマスソリューションズ 北海道 ハイテックシステム14 スマートフォンを利用した機械動作情報収集装置 武州工業 東京15 RaspberryPi を利用した機械動作情報収集装置 武州工業 東京16 無電源治具情報情報収集装置 武州工業 東京17 画像検査機 武州工業 東京18 「気づき」システム「BIMMS」 武州工業 東京19 低設置コスト wifi デバイスを利用した機械稼働の監視 菊池精機 茨城20 機械加工現場の IoT:加工生産管理の可視化による生産性の向上 三友製作所 茨城21 BUDDY ~多様なニーズに応えるために情報と物を繋ぐ~ 泰榮 茨城22 作業者の IoT 化によるプレス製造ラインの動的最適化生産 田中製作所 鳥取 レクサー・リサーチ23 「大きくて赤くてツヤとハリのある苺を増やすプロジェクト」 CF-K 東京24 現場生産進捗管理システム「SCRUM3」導入 玉澤精機 山形 山形大学 国際事業化研究センター25 AI を活用した金型見積ノウハウの技能継承 ~ IBUKI での取り組み ~ IBUKI 山形 LIGHTz26 金型の息遣い可視化プロジェクト IBUKI 山形27 建設機械の稼動・故障状況をリアルタイムで遠隔把握 範多機械 大阪 クオリカ28 生産現場データの徹底活用で攻めのIT経営を実現 半谷製作所 愛知 ARU29 信号灯の点灯・点滅情報を利用した設備稼働モニタリングと稼働分析 ATA Casting Technology Co.,Ltd. タイ 東洋ビジネスエンジニアリング30 回転工具における加工現象のリアルタイム計測技術の開発 山本金属製作所 大阪31 IoT と AI を用いて設備稼働状況モニタリング及び報知システム i Smart Technologies 愛知32 最適把持力ハンドの商品開発 近藤製作所 愛知33 振動センサーを利用した、芯出し・ティーチング作業の効率化 近藤製作所 愛知34 RFID 等の無線通信を利用したクラウド対応型計器・設備保全管理システム 木幡計器製作所 大阪35 中小企業が連携して遠隔地監視システムを構築 ベルチャイルド / 関西積乱雲プロジェクト 大阪 / 京都36 SaiSink 生産プロセスの実現 最上インクス 京都37 3DCAD をクラウド環境で離れたところから利用可能に 浜野製作所 東京38 工作機械稼働モニター(電子あんどんシステム)実績収集 スザキ工業所 岐阜 ジール39 SmartProcess -MS(見込生産対応 繰り返し生産対応 生産管理システム) 早川工業 岐阜 ジール40 SmartProcess -BR(個別受注生産対応 工程管理、生産管理システム) 三重スプロケット 岐阜 ジール業にとっても容易に導入できると思う」と評価。 山本金属製作所は、従来は熟練加工者の経験や勘に頼っていた加工状態の良し悪しを、工具内部にセンサと無線マイコンを内蔵した新たな計測機器を開発。リアルタイムで加工状態を計測し、切削熱、工具振動量など加工現象を見える化/数値化するという技術を確立。 また菊池精機は、機械稼働の監視をクランプ式電流センサとWiFi デバイスを使って実現。クランプ式電流センサを使って既存の設備を一切いじらず、リアルタムの電流値を無線 LAN でパソコンに取り込み、消費電力に応じて機械稼働時間と非稼動時間に変換して、実質的な稼動時間を把握。「通常数百万かかる機械稼働監視を、低コストの WIFI を活用し、数万円で実現している。素晴らしいの一語」と高く評価された。 40 の事例は、すでにある既存装置やインフラ、作業者の知見を活かす形で、いずれも低コストや簡単など導入のしやすさが特徴となっている。 例えば光電子とコー・ワークスは、スタンドアロン型の製造装置に手を加えることなく情報を取得できる情報収集装置を開発。PLC からのデータをリアルタイムに収集し、それをサーバのデータベースに格納して集計や分析をして稼動状況の見える化を実現した。 三芝硝材は、スマートウォッチとビーコンを使って作業を分析する IoT ツールを使い、作業者 1日の作業内容と時間を工程別、個人別に収集。作業ごとの必要時間を把握・分析し、その日に作る製品の種別や量にともなって人員の適正配置を計画し、製造コスト低減に成功した。審査員からも「現場での改善の積み上げによる IoT の発想が良い。スマートウォッチ+ Beacon は、中小企■中堅・中小製造業の IoT 活用事例一覧— 3 —

Page 7:日本産業の目指す姿 Connected Industries 発表ハノーバー宣言、日独で第4次産業革命で連携強化 ドイツのインダストリー4. 0、アメリカのインダストリアルインターネット、中国の中国製造2025など、産業分野における第4次産業革命の動きについて、各国が具体的なコンセプトを決めて動いているが、日本はこれまでそれに比するものがなく、曖昧だった。しかしこのほど経済産業省は、日本産業が目指す姿として「Connected Industries(コネクテッドインダストリーズ)」を発表した。潮 流インダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4— 4 —ノーバー宣言」に署名した。昨年にも経産省の次官級で共同声明を締結していたが、今回は経産大臣、総務大臣が署名し、閣僚級の共同声明として格上げし、より連携が具体的で強固なものとなった。 協力内容として新たに9分野が具体化。1・サイバーセキュリティ関連の国際標準化、2・インダストリー 4.0 の横断的モデルをIECに提案し、日独両国で国際標準化を先導する、3・データ自由流通原則の推進など規制改革、4・IoT活用に秀でた中小企業の相互協力と企業連携に関する資金面での支援、5・産総研とドイツ人工知能研究所の AI 研究での協力と、日独共同研究に対する資金援助、6・ロボット革命イニシアティブ協議会や IoT 推進ラボ、IVI など民間の IoT/ インダストリー 4.0 推進団体間の協力、7・デジタル人材の育成に対する政策協力、8・自動運転やコネクテッドカーなど自動車産業政策の協議、情報通信分野での協力などを進めていくという。 コネクテッドインダストリーズは「様々なつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会」のこと。例えば、IoTでモノとモノがつながり、人と機械・システムが協働・共創し、さらに人と技術がつながって人の知恵・創意を更に引き出す、国境を越えて企業と企業がつながる、世代を超えて人と人がつながり技能や知恵を継承する、生産者と消費者がつながり、ものづくりだけでなく社会課題の解決を図ることで付加価値が生まれる社会としている。 またデジタル化が進展する中、日本の強みである高い「技術力」や高度な「現場力」を活かした、ソリューション志向の新たな産業社会の構築を目指す。現場を熟知する知見に裏付けられた臨機応変な課題解決力、継続的なカイゼン活動などが活かせる、人間本位の産業社会を創り上げるとしている。 そこには3つの柱があり、1つ目は「人と機械・システムが対立するのではなく、協調する新しいデジタル社会の実現」。AIもロボットも課題解決のためのツールであって恐れたり、敵視するのではなく、人を助け、人の力を引き出すため積極活用を図る。2つ目の柱は「2・協力と協働を通じた課題解決」で、地域や世界、地球の未来に現れるチャレンジは、いつも複雑で、企業間、産業間、国と国が繋がり合ってこそ解ける。そのために協力と協働が必要だとしている。3つ目は、「3・人間中心の考えを貫き、デジタル技術の進展に即した人材育成の積極推進」を挙げている。 またこれに先立ち、日本とドイツは 3 月 19 日のCeBIT会期中、第4次産業革命の両国の協力の枠組みを定めた「ハ日本版インダストリー 4.0 のコンセプト決定日本とドイツ、第4次産業革命で協力 ハノーバ宣言■日本とドイツで協力していく分野CeBIT を見学する安倍首相とメルケル首相出典;経産省「ハノーバー宣言の概要」

Page 8:工作機械各社、IoTの取り組み本格化へIoTプラットフォーム、製品・サービスの高度化など各社各様ら産業まで手がけ、高いセキュリティを実現していることを挙げた。2000年代初頭から工作機械に通信機能を乗せ、国内の携帯電話通信網を使ってデータ収集を行ってきた。IoT化における通信機能の拡充や、自社製品がグローバルに普及して海外との通信の必要性が高まるなかで、万全なセキュリティを実現できるパートナーとしてマイクロソフトに期待を寄せている。 オークマと日立製作所は、IoTを活用し、マスカスタマイゼーションに対応した高効率生産の先進モデル確立に向けた協創を開始した。オークマの新工場Dream Site2(愛知県丹羽郡、以下DS2)で実証モデルを立ち上げ、生産性2倍、生産リードタイム半減を目指す。 具体的には、「生産の見える化の進化」として、生産の進捗状況と設備の稼働状況の両データを収集・連携させて一元的に監視・見える化し、高度に分析できるシステムを開発。工程上のボトルネック(前工程の遅延や設備不具合等)の特定から全体最適化対策までのプロセス迅速化を実現している。 次のステップとして、進捗・稼動状況の監視システムで収集・蓄積した現場のビッグデータとAIを活用し、自動学習する先進のシミュレーション技術を駆使して、従来困難だった刻々と変化する現場の状況に応じて精度の高い生産スケジュール ファナックは、2015 年にロボットの状態を監視して予防保全を行う「ゼロダウンタイム(ZDT)」を発表し、自社のロボットに対する IoT サービスの展開を始めた。2016 年 7 月には、CNC 装置や工作機械に加え、周辺デバイスやセンサまで範囲を広げ、製造と生産を最適化するオープンな IoT プラットフォームである「FIELD system」を発表。人工知能とエッジコンピューティング技術を組み合わせた分散型機械学習によって、機械から集めたデータを工場内のエッジでリアルタイム処理して、柔軟で賢く、協調した製造現場を実現。稼動状況を分析して故障予知を行い、部品交換の効率化や不意の生産停止の防止などにつなげている。 Field system では技術仕様を共有するための API を公開し、サードパーティーが機器やシステムをオープンに開発可能。日立製作所、オムロン、IDEC、富士電機、富士電機機器制御、アズビル、パナソニック、東芝、NEC などの FA 機器メーカーをはじめ、空圧機器、センサ、コネクタなどのデバイスメーカ、工作機械、産業機械、ネットワークインテグレータなどが賛同し、ユーザーとしてもトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車をはじめとする各社が歓迎している。 DMG森精機と日本マイクロソフトは 2016 年9月、スマートファクトリー実現、制御システムのセキュリティ対策の解決のために技術協力を行っていくことに合意した。DMG 森精機の製品が世界中に流通し稼動するなかで、万全なセキュリティと高度化を実現するためのパートナーとしてマイクロソフトを選んだ。 具体的には、工作機械コンソールなどWindowsを使った製品のセキュリティや、センサ情報をクラウドに集約する際とそこでデータ取り扱いの安全性の確保といったセキュリティ関連と、データ分析による予防保全などのさらなる活用、新規ビジネスモデルの構築といったクラウド活用、ウェアラブルデバイスを使った機械捜査員の作業効率や安全性の向上などへのIT技術活用などを共同で開発していく。 また、DMG森精機が日本マイクロソフトをパートナーに選んだ理由について森雅彦社長は、ITの老舗であり、民生か 工作機械は別名マザーマシンとも呼ばれ、そこには生産量や加工条件など重要なデータが集積している。製造の中核を担う工作機械を、いかにセキュリティを確保しながらオープンにつなぎ、新たなビジネスにつなげるか。製造業のデジタル化が進むなか、その動向に注目が集まっていた。昨年のファナックの Field System を皮切りに工作機械メーカー各社が IoT への取り組みが明らかになってきた。潮 流ファナック、工場向け IoT プラットフォーム「FIELD system」DMG 森精機とマイクロソフト、制御セキュリティとスマートファクトリーで技術協力オークマと日立、新工場で IoT 実証。将来のサービス化も視野にDMG 森精機 森雅彦社長と日本マイクロソフト 樋口泰行会長— 5 —

Page 9:をダイナミックに自動生成するシステムへ進化させ、柔軟かつ迅速に生産計画の最適化を図る。 「工場制御周期の高速化」では、ワークID(認識タグ)を活用した工程管理システムを導入し、全ての加工部品が工場内のどこに、どの状態で存在しているか正確に把握。時間単位・分単位で俊敏に部品搬送の作業を指示し、進捗・稼動状況の監視システムとの連携により、生産進捗の把握精度を向上させ、正確なボトルネックの特定と迅速な対策を実現していく。 オークマは、この取り組みを他の生産拠点に広げるとともに、ノウハウや高付加価値マシンを「ものづくりサービス」ソリューションとして、製造業向けに提供する予定。 アマダと富士通は、アマダが提唱する近未来のモノづくり「V-factory」の一環として、IoTを活用した新たなサポートサービスを構築するため、顧客とアマダをIoTでつなぐ機器「V-factory Connecting Box」の開発とビッグデータ活用において協力する。 「V-factory Connecting Box」は、マシンからのセンシングデータや稼働ログデータを、安全かつ安定したネットワークで取得。富士通の「FUJITSU Managed InfrastructureService FENICS II M2Mサービス」を用い、高いセキュリティを確保したネットワークにより、モノづくりのあらゆる情報を提携させるプラットフォーム「COLMINA」でデータの蓄積や分析を行う。また、OPC-UA と MT Connect のデータ交換標準規格に対応し、アマダ以外ともオープンな情報連携を可能にする機能を備えている。 両社は「V-factory」のサポートサービスにより、データ分析から予兆検知などを行うことで生産を止めないサポートを実現するほか、マシンの稼働状況を把握して業務効率向上のための気づきを提供するなど、顧客のモノづくりを支えていくことが可能になるとしている。インダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4アマダと富士通、IoT 機器の開発とビッグデータ活用で協力アマダの V − factory Connecting Box の構成図オークマの IoT の取り組み— 6 —

Page 10:日本マイクロソフト「IoTは早急に着手を。日本には活用できる風土がすでにある」の行動に結び付けている良い事例だと考えています。( 参考:https://aka.ms/sandvik_case) とにかくお客様には早く検討・着手してもらいたいです。IoTの導入に関してお客様ヒアリングした結果、IoT が本格的に稼働するまで 2 年から 3 年程かかってしまっているケースが多いことがわかりました。当社はこの中の導入にかかわるプロセスを大幅に短縮することができるクラウドサービス「Azure IoT Suite」を月々 10 万円から提供しています。1 時間程度でスタートすることができる手軽さを持ちながら、本格的な導入にも対応できる拡張性を備えているのが特長です。 先ほども述べましたが日本には長年の「カイゼン」文化があり、皆で知恵を出してものを作り出す風土があります。また、IoT 技術やデジタル変革についても、目的ではなく一つのツールとしてカイゼンを加速させられる大きな可能性を持っていると感じています。実際に生産現場・設備データを収集し、クラウドサービスを活用したビッグデータ解析と課題抽出を迅速に行うことで、カイゼン作業に取り掛かるまでの時間を短縮している国内製造業の事例もあります。実際にカイゼンを行うのは現場の人であり、有効なツールとして活用してもらいたいです。 機械ができる事は機械で行い、人間は付加価値を付ける作業に集中すべきだと考えています。「Azure IoT Suite」は他社 OS 含め様々なデバイスに対応し、どんなプラットフォームとも柔軟に連携できます。生産現場のデータ取得からクラウドの活用、その先のビジネス活用まで、個々の現場に合った提案をパートナー企業と共に支援し、日本の製造業のデジタルトランスフォーメーションと成長により一層貢献してきたいと考えています。 日本でも IoT の関心が高まり、徐々に取り組みが始まってきていますが、広い意味で実践している企業は少ないと感じています。製造業においてクラウドや IoT の活用は、生産性効率の改善から顧客満足度の向上を含めたビジネスそのものの在り方に変革をもたらすと考えているので、「カイゼン」文化がある日本にはメリットを享受しやすい素地があると考えています。 様々なデバイスや、クラウドの活用、データ分析などを通じ、ビジネスプロセスの変革までつなげることが重要です。そのためには各分野に強みを持ったパートナー企業と力をあわせて、お客様にソリューションとして提供していく重要性が増してきています。 スウェーデンの工具メーカー SANDVIK 社では、機器からの予防検知アラートを通じ、機器遠隔監視及び顧客との状況共有を行い、迅速で適切な技術者の派遣につなげています。事前の問題把握ができることから万全な装備での訪問ができるため、効率もあがり顧客満足度の向上に貢献しています。 この事例では、データが CRM や顧客のタブレットなど全てが弊社のクラウドプラットフォーム Microsoft Azure 上でつながっています。マイクロソフトは元来 Windows 等デバイスOS を提供してきた会社ですが、今や他社の OS も含め、お客様にとって最適なソリューションを提案しています。デバイス OS をどうするかを考えてきた会社だからこそ、どの様に機器やデータをつなげるのが良いかといった提案に自信があります。SANDVIK 社に対しては、データを取得するだけではなく、それを価値のあるデータとして活用し、実際にお客様菖蒲谷 雄日本マイクロソフト業務執行役員IoT デバイス本部長— IoT の潮流についてどの様に見ていますか— 具体的な事例があれば教えてください— 製造業における課題と解決策があれば教えてくださいインダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4インタビュー日本マイクロソフトはグローバルでの企業ミッション「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」、並びに「革新的で、安心でき、喜んで使っていただけるクラウドとデバイスを提供する」という日本の戦略方針に基づき、日々事業を進めている。中でも重点 6 業種の筆頭に製造業を掲げ、それぞれの分野に必要となる要件などに対応しながら、最適化したシナリオ、ソリューションをパートナー企業と連携して提供している。今回、IoT デバイス本部菖蒲谷雄本部長に IoT の潮流やマイクロソフトの取り組みについて話を聞いた。— 7 —

Page 11:PTCジャパン、製造業のサービス化に向け2017年はIoT SLM、ALMに注力 2017 年は、大手企業、特に「自動車」と「ハイテク・建機・重工・農機」の分野では SLM と ALM に期待している。中堅企業と新規企業、SMB に関しては CAD や PLM が中心となるだろう。 いま価格競争が激しく、製品を売るだけで収益を上げるのは難しい。多くの企業が「製造業のサービス化」と言われる、サービスを中心としたビジネスモデルに取り組んでいる。例えば、企業は機器や設備を売るのではなく、貸し出して使用期間に応じて課金するレンタルや、またはアメリカの空調設備メーカーの Trane 社のように、設備内の温度環境を一定に保つことをサービスとして提供し、結果に対して代金を支払う。このようなサービスが出てきている。 この場合、サービスを提供する企業にとって、設備の稼働率がサービスの肝となる。万が一、設備が故障したり、停止したりすると、レンタルであれば貸し出せなくなる。Trane 社のような保証型サービスでは、サービス品質が下がる。ダウンタイムが許されなくなっている。 SLM は、機器や設備に取り付けたセンサから集めたデータにより、リアルタイムに設備の稼働を監視し、一方で異常の予兆を見つけて未然に故障を防ぐ。製造業のサービス化を実現するために不可欠な「プラットフォーム」だ。建機や医療機器、自動車業界ではサービス化が進み、SLM も入り始めている。今後、工場関連では設備や生産機械でもサービス化は進んでいくだろう。産業用ロボットではすでに始まっている。そうした企業に向けて SLM の提案をしていく。 ALM については、製品開発でソフトウェアの比率が高くなり、さらに製品がコネクテッドで色々なところとつながって情報を集めるようになったため、ソフトウェア自体の構成やラインナップが複雑さを増している。システム開発が難しくなるなかで、きちんと要件を定義して開発していくために ALM(アプリケーションライフサイクルマネジメント)が大事になっている。例えば自動車のエンジンであれば、これまでに作ったエンジンの情報を参考にして開発を効率化したり、車体やカーナビから得た情報をリアルタイムに取り込んで製品開発に反映するような取り組みが始まろうとしている。ハードウェアを製造する上で PLM による管理が効果を上げているのと同様に、ソフトウェア開発においても ALM が期待されている。 2017 年は新しい体制になり、ジャンプアップして成長したい。2020 年の東京オリンピックに向けて色々とやっていきたいと考えている企業がたくさんある。それを支えていきたい。また激しいグローバル競争のなか、色々なテストアンドランに対し、その支援を行っていく。 2016 年は全体としてフタ桁成長できた。なかでも IoT は前年比 300% 増と目覚ましい成長を遂げた。 2015 年から IoT に取り組みはじめ、製造業の多くの企業を回った。一言でスマートファクトリーと言っても、業界や製造する製品によって要素は異なる。例えば複写機はセル生産で組み立て、自動車は一つのラインで異なる車種を製造している。サプライヤを見れば、ロボットで自動化しようとしている。従来から各社各様であることは理解していたが、昨年はIoT の取り組みを通じてあらためてその認識を強くした。 こうした背景をもとに 17 年はまず組織変更に取り組み、注力する業界に特化した形で「自動車」、「ハイテク・建機・重工・農機」「中堅企業・新規企業」、小規模事業者の「SMB」の 4つの営業部隊を設けた。さらにそれらに横串を刺し、IoT を提案する専門チームの「SLM・ALM・IoT ソリューションスペシャリスト」を組織。またパートナー企業とオープンにビジネス協業を進めている。 「自動車」と「ハイテク・建機・重工・農機」の領域は大手企業になり、IoT やスマートファクトリーに対する取り組みが進んでいて、さらに加速や進化をさせようとしている企業が多い。中堅企業と新規企業、SMB は、これから IoT に取り組むような企業が中心となる。 それぞれの領域の専門部隊が、すでに当社が持っているアプリケーションである CAD や PLM、SLM、ALM といったアプリケーションを入口として、ユーザー企業と業務改善に対して議論を重ねる。そこで気づきを与え、次いでソリューション専門チームが課題解決を図っていく。これまではアプリケーション提案が中心で、その業務、工程内を最適化する形になっていた。いまはコネクテッドファクトリーというように、前後の工程や、MES や BOM、基幹ソフトなどまわりのシステムともつなげることで最適化していかなければならない。それを確実に、速やかに実現するために、それぞれの業界の専門知識を持つ部隊、つなげる技術とソリューションに優れた部隊、パートナー企業でカバーしていく。宍戸 武士PTC ジャパン執行役員 社長— 2016 年を総括して— 2017 年の取り組みに関して— 2017 年の注力分野、製品は?— 8 —インダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4インタビュー

Page 12:IoTで製造現場の「見える化」の推進とヒューマンエラー「ゼロ」を目指してするため、製造機種ごとに作業指示書と作業内容を図版などで示した作業要領書を用意していましたが、高所作業車 1 台を製造するには合わせてファイル数冊分の紙が必要でした。 生産技術部 生産技術開発課課長の笛木忠利氏は、「作業員は工程ごとに作業要領書などを保管棚まで取りに行っていたため、作業員がその場で作業に必要な情報を全て取れる仕組みを作りたいと考えました。また、指示書、要領書、品質管理のチェックシートなど何枚もの書類を突き合わせて作業が正確に実行されたかを確認しなければならないなど、付帯作業が『目に見えないコスト』として発生していました」と語ります。 高所作業車は建設業界の動向などの影響で生産変動が激しく、しかも各機種はそれぞれ製造工数が異なるため、時期や機種で作業負荷が変動します。 同社は、国内と中国に合計 4 カ所の生産拠点を持ち、主に電力、情報通信、建設、鉄道の作業現場で使用される高所作業車を製造しています。高所作業車は、使用環境や工事によって多くの機種、仕様を品揃えしており「多品種少量生産」に対応した生産体制でいかにお客さまの要求にお応えするかが大きな課題となっています。同社の取締役 生産技術部門 調達部門管掌の安齋光一氏は、「過去の実績によると、年間数台しか製造しない高所作業車の割合が高く『一品一様』での、高品質、短納期のものづくりが市場から求められている」と語ります。 同社では、従来、品質向上とヒューマンエラーを「ゼロ」に株式会社富士通マーケティング株式会社アイチコーポレーション 様「作業ナビゲーションシステム」導入事例[導入の背景]多品種少量生産に対応し作業効率の向上と作業負荷の平準化を検討 高所作業車メーカーとして、国内トップクラスのシェアを誇る株式会社アイチコーポレーション様(埼玉県上尾市、三浦治代表取締役社長)。同社では、お客様のニーズに対応すべく「品質」、「納期」「安心安全」を重視しながら、多品種少量生産への対応、作業効率向上と作業工程の平準化、ヒューマンエラー「ゼロ」を目指し、富士通グループの作業ナビゲーションシステムを導入しました。 タブレット端末を活用した作業指示のペーパーレス化や作業のリアルタイム管理を推進し、作業工程のカイゼン活動により大幅な工数削減を実現。さらに、ボルトの締まり具合をデータ化して送信する無線通信モジュールを備えたトルクレンチの活用など IoT による先進的な「ものづくり」に取り組んでいます。システム導入以前の課題や導入の経緯、効果について、同社の取締役で生産技術部門、調達部門管掌の安齋光一氏、執行役員で情報システム部担当の関 元信氏、生産技術部 生産技術開発課 課長の笛木忠利氏にお伺いしました。— 9 —寄 稿

Page 13: 一方、安齋氏はヒューマンエラーが削減できた効果を感じています。第 2 段階で導入した無線通信モジュールを備えたトルクレンチにより、ボルトの締まり具合をデータ化してリアルタイムで確認。タブレット端末での作業確認と合わせ、「確認漏れなどヒューマンエラーによる不具合の発生率が減少した」(安齋氏)と効果を語ります。各工程の作業内容がタブレット端末で記録されるため、不具合が発生した時には「誰がいつ作業したか」を追跡できます。「見える化されたことで作業員も自分の仕事にこれまで以上に責任を持つようになり、意識向上が品質向上に結び付いています」(安齋氏)。 同社では、作業ナビゲーションシステムの導入を「生産部門と情報システム部門がうまく連携して導入できた成功事例」(笛木氏)と語ります。工程検査や納入立ち会いに訪れたお客様に作業記録を見せることで、作業のトレーサビリティの確立や品質保証の徹底を理解していただけるようになり、お客様からの信頼もさらに高まっています。 「タブレット端末を使った作業ナビゲーションシステムやトルクレンチからのデータ管理自動化機能などの活用により、これまで見えなかったものを IoT で見える化した『新しいものづくり』の現場に驚かれるお客様が多いです。効率向上、納期短縮、コスト削減、そして品質向上など、当社のものづくりへの取り組みを評価していただけていると感じています」(安齋氏)。  同社では今後、作業ナビゲーションシステムで蓄積されたデータを「さらに活用していくことを検討しています」(笛木氏)。タブレット端末からは、作業の開始と完了だけでなく写真や音声などの情報も入力もできます。「製造現場のさまざまなデータを AI で分析し、例えば、『作業にばらつきが生じていている』『作業に遅れが出始めている』など、人が気付かないところも AI が予兆を検知し教えてくれるようなシステムを目指します。世界市場を視野に生産工場の再編にも取り組んでおり、グローバルなものづくりの実践には最新の ICT 活用が不可欠です。今後とも富士通マーケティングにパートナーとしての協力を求めたい」(安齋氏)。将来を見据えた新しいものづくりへの取り組みは、今後ますます発展していくようです。 「作業日報を表計算ソフトで管理していましたが、それでは車種特有の異常工数も含めて計上されるなど、どの工程で人手が足りないのかを正確に把握できませんでした。作業負荷をリアルタイムで把握し、平準化できる仕組みを構築したいと考えていました」(笛木氏)と背景を語ります。 同社では、作業指示書や作業要領書の電子化と作業負荷の平準化を目指し、タブレット端末の活用を視野に入れたシステムの検討を開始しました。 同社 執行役員の関 元信氏は、「32 年前から作業指示書などを電子化し、データベースに蓄積していました。2012 年度には全ての製造情報を電子化できたので、このデータを活用して品質や生産効率の向上、コスト削減までを実現できる仕組みを作りたいと考えました」と語ります。 同社はいくつかのベンダーから提案を受けた中で、富士通マーケティングからもスーパーコンピュータ「京」を製造するために活用した作業ナビゲーションシステムの提案を受けました。 「当社の資産であるデータベースとの連携について、富士通マーケティングは技術的な課題を一つひとつ洗い出し、解決法を提示してくれました。また、タブレットをベースに工程毎に工数集計ができ、作業指示もできる仕組みものものは、他社システムでは億単位でしたが、作業ナビゲーションシステムは、『投資コストを抑制しながら、小さく始めて、大きく育てる』ことができるシステムでした。段階的に適用業務を拡張し構築するロードマップを示してくれたことで、導入後の効果を具体的にイメージできたことも採用のポイントです」(関氏)。 同社では、第 1 段階として 2014 年 10 月に組立てラインの効率向上を目的に稼働開始しました。次に、第 2 段階として 2015 年 12 月に作業の記録機能の改善と無線通信モジュールを備えたトルクレンチ(ねじを締め付ける作業用工具)からのデータ管理自動化機能を導入し、2016 年 12 月からは第 3段階として作業指示や作業記録に音声認識技術を活用する取り組みもスタートしています。 その過程で同社は様々な導入効果を実感しています。その一つが、作業工程の平準化です。作業員がタブレット端末で作業開始と終了を入力することで、各工程の負荷をリアルタイムで確認。「作業を『見える化』でき、負荷の低い工程を前後の工程に振り分け、その工程自体を削減するなど大胆な取り組みも実施できるようになりました」(笛木氏)。 さらにペーパーレス化により作業指示書や作業要領書の紙代と、印刷、配布、回収、保管などの工数も不要になりました。「作業効率化とペーパーレス化によりコスト面での効果も実感しています。」(笛木氏)。また、ISO の社内規定では、作業記録を11 年間保管することが規定されていますが、作業ナビゲーションシステムの場合、紙の記録がすべてデータベースに入っているので検索や追跡も非常に早くできるようになりました。[導入の経緯]他社システムと比べ低コストでステップアップ構築が可能だったことが採用のポイント[導入の効果]「見える化」により作業工程の効率化と品質向上を実現[将来の展望]蓄積された製造データの分析のため AI(人工知能)の活用も視野に— 10 —インダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4

Page 14:産学官一体活動を行いながら、世界のリーダーとしてプレゼンス向上を狙っている。 このような世界各国の動向に対し、日本では多くの大手企業が、IoT への対応を最経営課題として取り上げているが、残念ながら日本の国際社会でのプレゼンスは小さく、世界をリードすることは難しかった。しかし近年になって日本の動きにも大きな変化が出てきている。この一つが日本発「Society5.0( ソサエティー 5.0)」であり、世界に向けて大きく発信されている。まだ知名度の低い「ソサエティー 5.0」を CeBIT の大舞台で声高に訴えた。「インダストリー 4.0」のお膝元ドイツで、メルケル首相の目前で、日本戦略「ソサエティー 5.0」を安倍首相が開会のスピーチでぶち上げたのである。日本の ( 世界に向けたリーダ役としての)強い意思を感じる驚愕のスピーチであった。 以下に安倍首相のスピーチを抜粋する。 「森に出て狩りをした大昔。そこを人類史の第一章とすると、米や小麦で安定した食料を手にしたのが第二章。産業化の波が来て近代という名の第三章が幕が開け、通信とコンピュータの融合がまた新たな幕を開いて第四章。今私たちは、解決できなかった問題を解けるようになる第五章の開幕を目前にしている。ものが皆つながり、全てに技術が融合する時代、ソサエティー 5.0 の幕開けであります」と解説し、日本が世界をリードすることを宣言した。 安倍首相は、スピーチのなかで「人類の歴史に大きな節目が訪れた」とする一方で、「健康問題や地球規模でのエネルギー問題などが、イノベーションによって解決されていく社会がソサエティ 5.0 である」と語り、「製造業は問題を解くインダストリーに変わる」と提言した。非常に素晴らしいスピーチであったが、CeBIT での日本企業の出展内容はどうだったのか ? 本来であれば、CeBIT に出展した日本を代表する大企業が、安倍首相のスピーチを裏付ける革新的なイノベーションを披露し、世界の注目を浴びるのが理想だったが、理想と現実に随分のギャップが存在することが露呈してしまった。 日本の大企業の出展は、現在販売中もしくは販売予定の在来商品が大半であり、イノベーションの魅力に欠ける展示が多かった。更に辛口を言えば、IoT に関してはコンセプトのみの「絵空事」に終始した大企業もあり、一部の失望感が日本パビリオンに漂っていたのは、非常に残念なことである。 日本勢の総合評価は、世界のイノベーションから「周回遅れ」との酷評は免れない。ある大企業のブースでは、「おつきあい世界最大の IT 見本市「CeBIT2017」盛況 2017 年 3 月「CeBIT2017」( セビット / 国際情報通信技術見本市 ) が、ドイツハノーバーで開催され、世界最大の名に恥じない盛況ぶりで閉幕した。今年の CeBIT は、日本がパートナーカントリーを担い、安倍首相も駆けつけ、メルケル首相とともに開会スピーチや会場視察を行い、日本のプレゼンスも大きく向上した。しかし、世界各国から集まった出展者の規模や内容の充実ぶりには、率直驚かされた。欧米各国や中国などの取り組みは、日本をはるかに越えている感想を拭うことはできない。 第 4 次産業革命は、人類が直面する現実である。第 4 次産業革命の取り組みとして「インダストリー 4.0」がドイツで生まれ、日本でも大きな話題となったのは周知のとおりであるが、ドイツ以外でも、米国の「先進製造パートナーシップ」、中国の「中国製造 2025」などが旗揚げされており、各国は高木俊郎株式会社アルファ TKG代表取締役社長世界最大の IT 見本市「CeBIT2017」盛況大舞台で「Society5.0」を訴えた日本周回遅れが露呈した日本勢CeBIT2017 からの警告「周回遅れ」の日本中小製造業【デジタル変革】への道しるべ安倍首相のスピーチ— 11 —寄 稿

Page 15:の出展だからこの程度で仕方ない」と発言していた幹部がいたが、情けない限りである。 CeBIT2017 でのキーワードから日本周回遅れの原因を検証してみたい。CeBIT の謳い文句は「DigitalTransformation(DX).//d!comomy-nolimit」であった。 DigitalTransformation(DX、デジタルトランスフォーメーション ) とは、デジタル変革のことであり、「デジタルトランスフォーメーションに無限のチャンス」が、CeBIT では全面に押し出されており、DX が国際的な関心事になっていることを痛感する。 ドイツのインダストリー 4.0 も、DX をベースに猛進しているが、日本企業の DX に対する認識遅れが、周回遅れを引き起こす原因の一つとなっている。 DX と称されるデジタル変革は、「第 3 のプラットフォーム」で実現する大革命であり、安倍首相の主張する「人類の歴史に大きな節目」こそ、「第 3 のプラットフォームへの移行の節目」と同意語である。 インターネットと通信の発展により、クラウドを活用したプラットフォームが急速に台頭してきたが、「第 3 のプラットフォーム」とは、この新しいプラットフォームのことである。モバイル・ソーシャル・ビッグデータ・クラウドの 4 つを要素技術と定義している。 「第 3 のプラットフォーム」の上では、人工知能や VR など最新デジタル技術が利用できる「仮想空間」が構築できる。仮想空間の誕生により想像を超えるデジタル変革が実現し、ビジネスモでルの大変革が起きると言われている。 IT の歴史を振り返れば、1964 年の IBMSystem/360 から始まった「メインフレームと端末」が大企業での IT の始まりとなったが、これが「第 1 のプラットフォーム」と呼ばれている。1990 年台から「第 2 のプラットフォーム」である「クライアント / サーバシステム」が誕生し、世界中のあらゆる企業に普及し、IT の世界に大変革が起きた。パソコンや Windows が大企業のみならず、中小製造業・町工場に普及したのも、「第2 のプラットフォーム」である。 日本の大手製造業は、「第 2 のプラットフォーム」から脱皮することが容易ではない。「第一のプラットフォーム」から IT化に取り組んだ大手製造業は、「第 2 のプラットフォーム」も積極的に取り込み、独自の非常に優秀なクローズドシステムを開発し、このシステムの上で事業活動が行われているので、オープンな「第 3 のプラットフォーム」への移行は簡単なことではなく、非常に危惧している日本の企業は数多く存在する。 各企業がクラウドを軸とする「第 3 のプラットフォーム」に移行し、デジタル変革によって新しいビジネスモでルを創造することが、「デジタルトランスフォーメーション (DX)」の真髄であり、世界各国でこの流れが加速している。 金融界の「FinTech」や製造業界の「インダストリー 4.0」そして話題の「IoT」のすべてが、DX の範疇であり、DX とは全業種・全業界に広がる未来像である。「第 3 のプラットフォーム」には企業規模や国境などには全く関係なく、人類の活動を根本から変えてしまう魔力を備えている。しかし、慎重な日本企業が危惧するように、DX のもたらす世界は必ずしも理想的なイノベーションとはいえない側面もあり、かなり暴力的に破壊を伴って進行する場合も少なくない。 たった数年で彗星のごとく登場した配車サービス UBER は、「第 3 のプラットフォーム」を活用した新ビジネスであり、破壊的イノベーションの代表であろう。スマホを使いタクシーよりも便利な UBER の新サービスは、瞬く間に世界中に普及した。しかし、その半面で従来ビジネスが破壊され、多くの反発を招いた。今後も UBER は、多くの反発や犠牲者を量産するだろう。そして、UBER 自身も急激な成長に対応できず、自爆するかもしれないが、新しい「配車サービス」という事業は、世界中の未来社会の中で確実に定着するであろう。 スマホ活用の配車サービスは、明らかに問題解決型のサービスであり「ソサエティー 5.0」の目指す世界の一つであるが、日本企業の持つ遺伝子には、破壊的イノベーションを避けようとする習性がある。日本企業の周回遅れが、破壊的イノベーションを緩和する緩衝期間であるとしたら、日本企業は最後に笑う勝者となるだろう。 農耕民族として企業の継続発展を続けてきた日本企業の遺伝子に、破壊的イノベーションは不向きであるが、米国を中心とするベンチャー企業が、破壊的イノベーションを仕掛けてくるのを避けることはできない。グローバル競争を強いられる「日本の大手製造業」は、好むと好まざるとにかかわらず、世なぜ周回遅れなのか ?「第 3 のプラットフォーム」への乗り遅れ破壊的イノベーションとは無縁の「中小製造業のインダストリー 4.0」破壊的イノベーションと最後に笑う勝者とは?日本企業ブースを巡る安倍首相とメルケル首相— 12 —

Page 16:界中から破壊的イノベーションの攻撃を受けることは避けられず、中小製造業にも大きな影響が及ぼされると思われる。 このような環境で、中小製造業が取るべき対応は、大手企業以上にデジタル変革を急速に推進することに尽きる。今までに投資した設備を大切にしながら、「第 3 のプラットフォーム」を活用した、受注窓口の拡大や、つながる工場・考える工場への変革が勝利への最短路線である。 過去数十年に渡りデジタル化を強く推進してきた中小製造業・町工場は数多く存在し、これが「第 2 のプラットフォーム」の遺産 ( レガシー ) である。 CAD/CAM システムや生産管理システムなど優れたソフトウェアが導入され、結果として、事務所には数多くのパソコンが設置され、事務所の社員全員がパソコンを操作して仕事をこなしている。加工機も、CNC 付きマシンや自動機・ロボットなど、PLC やコンピュータが搭載された機械が多く設備され、事務所とネットワークで繋がり、スケジュール化された自動運転システムも多く稼働している。 このような遺産 ( レガシー ) が日本列島津々浦々に存在するのは、真に日本の底力である。遺産 ( レガシー ) は負の遺産でなく財産である。この財産を活かし、「第 3 のプラットフォーム」を増築することが、中小製造業・町工場のデジタル変革の王道であり、この実現が世界に先駆ける中小製造業のインダストリー 4.0 の成功事例となるだろう。 少ないようで多いのが「クラウドに対する偏見」である。インダストリー 4.0 の実践には、この偏見はご法度である。「クラウドは危険だし、スピードが遅いから当社はクラウドは使わない」と仰る中小企業経営者が意外と多いのも現実である。人工知能への認識も「あんなものは危ない。人間の敵になる存在だ」と仰る経営者もいる。このような認識は、テレビなどの報道によるものも多いと思われるが、捨てなければならない偏見である。 未来への扉を「開くか」「閉じるか」は、ちょっとした判断が分水嶺となる場合が多い。例えば、クラウドの活用をちょっとした判断で拒絶してしまったら、「第 3 のプラットフォーム」への入口の扉を閉めてしまう結果となる。 使い慣れたWindows パソコンとソフトだけでは、未来の扉が開かない事を「デジタルトランスフォーメーション」が示唆している。 第 3 のプラットフォームを活用し、中小製造業がインダストリー 4.0 を具体的にすすめるために、まず始めなければならないのは、「情報の 5S 化」である。 一般的に 5S とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字の S をとったものであり、日本での 5S は、中小製造業・町工場の津々浦々まで徹底されており、世界中のお手本ともなっている。インダストリー 4.0 実現のために重要視すべきは、「5S」ではなく「情報の 5S 化」である。「情報の 5S 化」に視点を移すと日本の製造業は、世界から随分遅れているに気がつくはずである。 一言で表現すれば、「情報がバラバラ」。今日までに「第 2のプラットフォーム」に構築された、CAD/CAM システムや生産管理システムに加え、PDF などの電子情報やメール情報など様々な情報が、工場内に氾濫しているが、多くの情報がバラバラに存在し、時には担当者のパソコンの中で埋もれてしまっている。 これらの数々のレガシー情報を会社の財産として社有化し、情報を有効活用する事が何よりも重要なことであり、「情報の5S 化」なくしてデジタル変革を成し遂げることはできない。 株式会社アルファTKG が市場に提供する「alfaDOCK( アルファドック )」の導入で、「情報の 5S 化」を容易に実現することができる。「alfaDOCK」は、正真正銘の「第 3 のプラットフォーム」である。「情報の 5S 化」を即刻実現し、ビッグでータや人工知能など最新技術活用への道を切り開く最短路線である。 「第 3 のプラットフォーム」を使って、バラバラになっている各種情報をひも付けて、「情報の 5S 化」を実現するのが、クラウドを活用した最先端技術である。レガシーシーシステムとの強力なインテリジェントソケット機能により、図面や各種ドキュメントがひも付き「情報の 5S 化」が実現する。 「情報の 5S 化」が実現した企業では、スマホやパソコンを使って社員全員が情報を有効活用でき、「見える化工場」「つながる工場」「考える工場」「ペーパレス工場」への第一歩を歩み出している。「alfaDOCK( アルファドック )」の活用による「情報の 5S 化」の実現が、中小製造業のデジタル変革の具体例であり、第 3 のプラットフォームを手にしたことで、世界中の最先端技術を導入できる企業体質への変革が、中小製造業のインダストリー 4.0 の具体的実践である。大手製造業よりも早く、第 3 のプラットフォームへのデジタル変革を実現することが、中小製造業の勝ち組へのパスポートであり、その道しるべは「情報の 5S 化」である。「情報の 5S 化」から始めるインダストリー 4.0クラウドへの偏見を捨て、活用しよう「情報の 5S 化」を具体的に実現する「alfaDOCK」情報の 5S 化を実現する alfaDOCK— 13 —インダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4

Page 17:Smart Factory化の第一歩を支援簡単導入「工場見える化パッケージ」を開発接点信号からの稼働監視も実現できるうえ、簡単設定で手元に届いてから最短1日で導入ができる。また、手作業で行っている帳票作成、日報作成の自動作成に対応。帳票・日報のフォーマットはExcel上に自由にレイアウトし、現在運用中の帳票にあわせることができる。帳票作成工数の削減、入力・転記ミスの排除、帳票のリアルタイム化を実現する。 さらに、導入価格は1セット50万円~と低コスト。産業用タッチパネル(HMI)の作画データやExcelを編集する程度の簡単な作業で設定変更ができるため、自社で自由に追加改造が行える。スモールスタートから始められ、段階的に拡張が可能なところにもこだわった。最初は特定工程の稼働監視からはじめ、設定追加で複数台の設備監視もできる。上位システムとの接続も、Industry 4. 0で標準とされているOPC UAに対応するなど拡張性も兼ね備えており、大規模システムにも展開が可能。オプションで、取得したデータをデータベース化するプランも用意している。 同社では4月からテストマーケティングを初め、小規模工場から自動車部品製造大手まで規模を問わず数多くの企業から高い評価を得ている。今回の「工場見える化パッケージ」を皮切りにスマートファクトリー実現のための支援を継続していくとしている。詳細情報は順次 HP にて公開予定(https://fa-products.jp/) 「工場見える化パッケージ」は、「表示機能付IoTサーバー(HMI:稼働監視用)」「Excelアドインソフト(帳票作成用)」、既存設備への組込みを実現する「稼働監視ソフト」がセットになったパッケージ。 同社は製造業の高度化を支援するため、製造・生産技術(OT)と情報技術(IT)両方の知見を活かし、生産現場の見える化を提案からシステム導入まで幅広く提供している。近年「Industry 4. 0」や「Smart Factory」「IoT」が注目されていることもあり、製造現場の「見える化」が重要性を増し、稼動監視に取り組む企業が増えている。しかし、「動作中」「停止中」の信号記録のみにとどまっていたり、手書き帳票を集計したりしている場合が多く、データの信頼性が低いため、ボトルネック(無駄)の解析には至っていないのが現実。本来は、各設備、工程から出る信号から直接情報収集し、データの信頼性を高め、ボトルネックを明確にすることから、カイゼンを進めること重要だが、適したシステムが無いのが課題だった。 既存の稼働監視システムの多くは特定機器(同一メーカーのPLCや表示灯など)からの情報しかデータが取得できないため、専用ボードや複数機種のPLCが混在する工程、手作業の工程などでは、稼働監視のデジタル化が進みにくいという現実もあり、「既存の設備をそのまま活用しながら、低価格にデータの信頼性が高い稼動監視を実現したい」という生産現場の要望に応え、「工場見える化パッケージ」の開発に至った。 特長として、国内外250種類以上のPLCに対応。既存設備をそのまま活かしたデータ収集を実現。オプション追加で、FAプロダクツ(東京都港区、貴田義和代表取締役社長)は、Smart Factory化の第一歩を支援するため、ローコストに既存設備の稼働監視・帳票レス化を実現する「工場見える化パッケージ」を、2017年6月8日から提供開始した。貴田 義和FAプロダクツ 代表取締役社長見える化画面構成例システム構成図工場見える化パッケージ国内外 250 種類以上の PLC 対応導入費用1セット 50 万円〜の低コスト— 14 —インダストリー 4.0—IoT ナビ Vol.4ニュース

Page 18:米・ベライゾンのデジタルトランスフォーメーション戦略と、データ活用による日本社会の課題解決を目指してンド傾向について説明し、「IT サービスは消費ベースモデルへと移行。リソース不足により、コア事業とそれ以外の事業とのせめぎあいが加速」「常に接続している状態が生活および業務の基本に」「企業のサプライチェーンはグローバルかつ相互に接続されている」「数百万のユーザーから、数十億の接続デバイスへと拡大」「電子商取引の大幅な増加により、セキュリティに対する脅威が増大」という傾向を明らかにした。 さらに、「2019 年までに、全世界で IP ネットワークに接続されるデバイス数は人口の3倍以上へ」「2018 年までに、アジア太平洋地域のビジネス IPトラヒックは世界最大となる最大 9.5 エクサバイト/月に」「2019 年までに、アジア太平洋地域における IPトラヒックは 54.4 エクサバイト/月に到達」という数値を示し、デジタル化の波が大きくなっていくことを示唆した。 こうした状況下で、「先進的技術によりもたらされる想定外の脅威がビジネスを破壊するかもしれない。これら脅威をどのように予測すればよいでしょうか」とフィッシャー氏は投げかけた。予測する考え方としてフィッシャー氏が提案したのは「ライフサイクルとテクノロジーのS字曲線内での位置により、事業のプロダクトやサービスがどれだけ創造的破壊がされやす 米・ベライゾンは、2015 年度売上高 1320 億ドル、世界で 16 万 2700 人の従業員を抱える世界トップクラスの通信事業者。傘下には1億 1300 万件以上の契約数を持つアメリカ最大の携帯電話キャリアであるベライゾン・ワイヤレスを抱え、固定通信事業でも統合された通信、情報、エンタ-テイメントのサービスを提供し、さらに革新的でシームレスなビジネスソリュ-ションを世界に向けて提供している。 今回のイベントでは米・ベライゾン・エンタープライズソリューション部門プレジデントのジョージ・フィッシャー氏を招き、「AJourney in Transformation」をテーマに、ベライゾン社のエンタープライズ・ソリューション部門の取り組みとマーケットトレンドについて解説してもらった。 ベライゾン社は現在、「ネットワーク仮想化」「高度データ通信システム」「マネージドサービス」を成長分野に掲げ、エンタープライズ・ソリューション部門が大きく成長している。フィッシャー氏は「ネットワークの世界は目まぐるしく変化しています。そんななか、人的資源とグローバルネットワークの重要性を注視しています。我々は差別化のためのデジタルソリューションの提供を目指しています。」と話した。 続けて、エンタープライズ・ソリューション市場の5つのトレ4月12日、デジタルトランスフォーメーションイニシアティブ (DX Initiative)「~デジタルトランスフォーメーションが実現するビジネス革新とソーシャルインパクト~」( 主催・運営 IT Forum&Roundtable 事務局 ) が、東京都千代田区のイイノホール&カンファレンスセンターで開催された。講師に米・ベライゾン・エンタープライズソリューション部門プレジデントのジョージ・フィッシャー氏を招き、同社が進めるデジタル戦略を解説。さらに、総務省谷脇康彦情報通信国際戦略局長らを迎えてパネルディスカッションが行われ、社会問題の解決のためのデータ活用をテーマに議論が行われた。ジョージ・フィッシャー エンタープライズソリューション部門プレジデントベライゾンのデジタルトランスフォーメーションのイメージ売上高1320億ドル。米国最大の携帯電話キャリアを傘下に持つ通信事業者先進技術がビジネスを破壊する時代。自社に対する脅威を予測ニュースエンタープライズソリューション市場の5つのトレンド— 15 —

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