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盤の国際規格と標準化「制御盤・配電盤ナビ」Vol.1【完全版】

ホワイトペーパー

IoT時代を勝ち抜く盤の未来

FAや電機制御を中心とした、ものづくりの専門誌・オートメーション新聞の別冊「制御盤・配電盤ナビ」【完全版】は、制御盤・配電盤に関する各種情報をまとめたムック本です。

「盤の国際規格と標準化」がテーマの今回は、制御盤の規格標準化と国内メーカーの動向や、
国際規格についてのインタビュー記事、課題解決に役立つツールや、電機製造業を強力にサポートするアイテムなど、業界注目企業の製品情報も満載です。


※ダウンロードされたお客様の情報は弊社プライバシーポリシーに則り協賛企業へ共有させていただきます。あらかじめご了承下さい。

【協賛企業】オムロン株式会社/IDEC株式会社/日東工業株式会社/河村電器産業株式会社/内外電機株式会社/リタール株式会社/共立継器株式会社/スワロー電機株式会社/ワゴ ジャパン株式会社/株式会社新愛知電機製作所/相原電機株式会社/篠原電機株式会社/株式会社ワコム/アルファテック株式会社/EPLAN Software&Services株式会社/株式会社ニチフ/株式会社壬生電機製作所/フエニックス・コンタクト株式会社/富士電機機器制御株式会社/株式会社図研

このカタログについて

ドキュメント名 盤の国際規格と標準化「制御盤・配電盤ナビ」Vol.1【完全版】
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別冊 Vol.1 Automation News 制御盤・配電盤ナビ Industorial Contorol Panel & Distribution Board -IoT時代を勝ち抜く盤の未来- オートメ新聞株式会社
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制御盤・配電盤ナビ I NDEX グローバル対応 “ 制御盤 ” 製作に関する現状と提案 さくらマシナリーコンサルティング …………………………………………………… 1 制御盤の標準化と全体最適 提 言 株式会社イーティエイコンポーネンツ ………………………………………………… 2 IoT 時代は制御システムセキュリティ技術が当たり前に ICS 研究所 ………………………………………………………………………………… 3 直流電気を安全・有効に使うための「電気安全ガイドブック」 一般社団法人日本電気制御機器工業会 ………………………………………………… 4 制御盤・配電盤の生産性改善と技術伝承 ……………………………………………… 5 制御盤・配電盤の配線作業の省力化 …………………………………………………… 6 潮 流 制御盤の規格標準化と国内メーカーの動向 …………………………………………… 7 制御盤と国際規格 国内と海外の違い 株式会社 UL Japan コマーシャル&インダストリアル事業部 ……………………… 8 インタビュー ECHONET による HEMS の進化と分電盤 一般社団法人 エコーネットコンソーシアム …………………………………………… 9 建築材料・設備機材等品質性能評価事業公共建築向けの制御盤、分電盤等を評価 一般社団法人 公共建築協会 ………………………………………………………………10 JSIA(日本配電制御システム工業会)優良工場認定制度 ……………………………11 ニュース JECA フェア 2015(第 63 回電設工業展)製品コンクール ……………………………12 IDEC /相原電機 …………………………………………………………………………13 アルファテック/ EPLAN Software & Services …………………………………14 オムロン/河村電器産業 …………………………………………………………………15 篠原電機/新愛知電機製作所 ……………………………………………………………16 図研/スワロー電機 ………………………………………………………………………17 製品紹介 内外電機/ニチフ …………………………………………………………………………18 日東工業/フエニックス・コンタクト …………………………………………………19 富士電機機器制御/壬生電機製作所 ……………………………………………………20 リタール/ワゴジャパン …………………………………………………………………21 ワコム/ WashiON 共立継器 ……………………………………………………………22 制御盤・配電盤ナビ  発行所:オートメ新聞株式会社  発行日:2015 年 9 月 30 日  定 価:1000 円+税 〒 105-0014 東京都港区芝 2-3-21 花芝園ハイツ 801 電 話:03-5443-7830 FAX:03-6800-3781 メール:info@automation-news.jp オートメーション新聞 WEB 版 http://www.automation-news.jp/
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制御盤・配電盤ナビ 提 言 グローバル対応 “ 制御盤 ” 製作に関する 現状と提案 さくらマシナリーコンサルティング 代表 岡村隆一 CEマーキング開始20年。いまだに対応できていない日本 1、電気回路設計……IEC基準   1)電源 / 動力回路  1995 年 1 月 1 日に EC 指令(CE マーキング)が施行   2)制御電源回路 されてから 20 年目を迎えた。EC 指令に端を発した ISO/ 3)その他の電源回路 IEC 規格が世界標準規格として各国の国家規格に整合化さ   4)操作回路……ハードリレー れ、日本も和訳された JIS 規格が発行されている。20 年と     回路 いう時間は、日本の産業用機械業界が、電気規格としての   5)安全回路……PL値と安全 IEC60204-1 の発行の趣旨を理解し、内容の解釈と具体的な     機器の種類と個数を確認 対応をするのに十分な時間だった筈である。しかし実際には、   6)PLC-I/O 回路 → PNPタイプを推奨する IEC60204-1 をいまだに理解できず、要求事項に対応できて 2、電気機器の選定 いない。グローバル展開に遅れ、大きな損失となっている。   1)パーツリストの作成  その最たる例が、世界標準電気規格 IEC60204-1 の和訳   2)機器外形寸法の確認とメモ 規格である JIS 規格 B9960 に準拠した “ 制御盤 ” が自力で 3、制御盤の選定と盤内機器の配置と配線材等の選定 設計製作できないという現実だ。罰則規定がある海外向け制   1)主遮断器の場所 / 電源動力機器と制御機器の分離 御盤については、高額な費用を掛けてコンサルティングに依   2)配線ルート、特に電源 / 動力回路 頼して対応せざるをえなくなっている。   3)アース配線の取回しとアース配線接続について  対応できない理由は各社それぞれだが、共通しているのが、   4)外部配線の出し方 ①「規格書すべてを理解しようとしている事」、②「従来の 5、配線に関する規定……サイズと配線色      考え方とは違う抽象的な記述の規格の要求内容の解釈ができ 6、操作 / 表示系に関する規定 ずにいる事」、③「最も重要な IEC 規格に準拠した電気回路 7、制御盤本体への追加要素……規定銘板 図の設計ができない事」だ。弊社も多くのユーザーの海外向 8、「技術文書」と「電気試験5項目の試験レポート」の作成 け制御盤設計製作の支援を行っているが、はじめは必ず電 であり、従来のやり方との差はない。写真は、1 台の機械に 気回路設計の規格に沿った実践上の説明からスタートする。 ついて IEC 規格と米国規格で設計製作した制御盤である。そ ユーザーの理解を確認した上で次のステップとして規格全体 れぞれの規格を理解していればグローバル対応を可能とする の内容の説明に行くためだ。 実例として掲載しておく。  IEC 規格に準拠する電気回路図は従来よりシンプルで、製 造原価の低減と取付けスペースの削減をもたらす大きなメ 提案:より具体的で実践的なIEC60204-1の講習実施を リットがある。機械1台分についての決め事に従うだけで簡  グローバル対応の制御盤を設計製作できるようになるため 単に設計できるようになる。制御盤設計製作の手順と項目、 にはどうすれば良いか? 機械1台の設計業務についての概要を記す。  毎年、世界標準電気規格 IEC60204-1 の講習会が行われ ている。しかし、講習会の主旨が全産業界を対象としている ことから、参加者は自社の製品に対応する具体的な内容とし て習得できずにいる。関連業界としては即効性のある対策を 行う必要がある。  各社が “ 当たり前化 ” して世界標準に対応する制御盤の設 計製作を自前で出来る体質にするためには、ユーザー個別の 製品に対応した具体的な規格対応の講習会を実施することで あり、実施する時期は節目の今しかないと考える。設計理論 を理解し、設計実務経験があれば、時間と費用を掛けずに 2 日もあれば習得は可能であり、これを実行するかどうかは経 営者の判断次第である。 ■プロフィール 1974 年、本田技研工業に入社。2輪車、自動車に関する生産設備の電気制御設計部 門でほぼすべての生産工程を経験。国内工場をはじめ、海外工場に供給する生産設備 米国向け            CE 対応 設計業務を 25 年ほど勤めた後、海外工場の設備導入支援と現地設計技術者教育を勤 仕向け地違いの同一制御盤例 める。2008 年同社を退職後、さくらマシナリーコンサルティングを創業。欧、米規格をベースとした仕様の標準化に取り組み、世界標準機械安全規格普及に努めている。 ※※盤内の赤枠線内は電源 / 動力回路を表わす 1
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制御盤・配電盤ナビ 提 言 制御盤の標準化と全体最適 「インダストリー 4.0 が制御盤の変革を大きく推進」 株式会社イーティエイコンポーネンツ 代表取締役 江角敏史  ドイツからの提唱で始まったインダストリー 4.0(I 4,0)  結果的に制御盤は小型化し、 故障 のコンセプトは、 ものづくりの環境に大きな一石を投じてい 率は激減する。 基盤の予備を在庫 る。 この動きは日本の制御盤周辺にも大きなインパクトを与 するコストは生じるが、 標準化し えそうだ。 ものづくりに携わる装置メーカー、エンドユーザー メンテナンスコストが下がること のほとんどが制御盤の小型化を望んでいる。 小型化はコスト でコストアップ分を相殺できる。 削減に貢献し、 利益という果実を生み出す。 しかし現実の制 この方式の採用には高いレベルの 御盤はますます肥大化し、 コストが上がっている。 それは、 技術は必要としないが、 高い戦略的 制御盤の小型化が回路数の増加と国際安全基準の厳格化に追 なトップの判断が必須となる。 いついていないからだ。  現場の意見を吸い上げることは大事で  内蔵部品の小型化は着実に進んでいるのに、 日本の制御盤 あるが、 全体デザイン(全体最適化)の判断はトップが行な は欧米に比べ小型化が進んでいない。 小型化をお家芸とする う必要がある。 改善内容は現場で生まれるが、 変化はトップ 日本がなぜ成果を出せないのか ? ダウンによる決断でしか生まれないからである。 ここで言う  その理由は、 トヨタ生産方式を模範として米国で生まれた トップは、 制御盤メーカーの社長ではなく、 ユーザーの生産 リーン生産方式の概念で、 定性的に説明ができる。 リーン生 技術部長か工場長を意味している。 ユーザーの全体最適化の 産方式は、 資材先選定、 購入から製品出荷、 アフターセール 知見とコスト意識がなければ制御盤メーカーだけの改善で変 スを含む工程に無駄と障害(ボトルネック)がないか測定し、 わる内容ではないからである。 トップダウンの判断で全体的な最適化を図る手法である。 多  日本のある光学機器メーカーは自社工場の制御盤製造にも 少の部分最適は犠牲にしても、 全体のパフォーマンスを重視 リーンの考え方を導入し世界で勝ち続けている。 トップが決 する生産方式で無駄を省いて効率を上げ、 コスト競争に勝つ 定権を持つ指揮者になり、 制御盤会社の社長がトップダウン というコンセプトで多くの製造業が採用し効果を上げている。 でデザインの全体最適化を企画 ・ 指示する。 部品単体のコス  制御盤製造もこの視点で眺めて見ると分かることがある。 トだけを最重要視せず、 いかに標準化し、 客先の生産ライン 制御盤製作のプロセスは、 アイデアがユーザーの現場から提 に低いランニングコストでフィットできるかを第一優先に考 案され、 即、 製造に踏み切る典型的なボトムアップ式である。 えることが大切になってくる。 現場が決めるので決断は早いが、 そもそも工場全体の最適化  日本の制御盤の弱点を技術面から見ると次のような課題が を考慮した発想に立っていないので張りぼてのラインになり 挙げられる。 がちだ。 制御盤製作では、 これを長い間続けてきたため最新 1)制御盤を複層化できていないこと の部分最適にはなっていても、 平滑的な全体最適にはなって   デバイスと配線が同じ平面に混在しない構造が、 小型化 いない。 とコストダウンには必須。 つまり、 デバイスは前面に配  それは DC(直流)電源部を見ると分かりやすい。 置し、 配線はその背面にある構造で、 熱の気流を作り盤 ボトムアップ型の制御盤は DC24V 電源がグループごとに複 による排熱が実現する。 数台搭載されている。 それぞれの負荷回路には両切りの CP 2)同一機能で複数回路のグループはPCBで一体化する (サーキットプロテクタ)が DIN レールに装着される。 CP の   前述のように DC 電源の二次側に回路が多数あり、 コモ 入力で 2 本、 出力で 2 本、 信号で 2 本、 計 6 本のケーブル ニング可能なグループは PCB 上にまとめて配置する。 が巨大なケーブルダクトに納められる。 部分最適されている 3)制御盤の扉を容易に開けない仕組みを作る から直角平行が守られ、 プロらしいきちんとした製作がなさ   制御盤は扉を開けた瞬間、 工場の湿気とコンタミが一瞬 れている。 で制御盤内に入り込んでしまう。 侵入物は残留し、 湿度  これに対してトップダウン型の制御盤は DC24V 電源が 1 は制御盤の電源がオフになり内部が冷えると盤内の相対 台。 CP 群は電子式のため小型で PCB 上にソケットで装着 湿度が上がり長期的には機器内部にマイグレーションな され、 信号線のコンフィグ(AND/OR)も PCB に搭載され どの不具合を招く。 たショートピンでアサインする。 PCB のインターフェースは 4)制御盤の箱は小さくし機器は密集させる 全てソケットで形成され、 そのケーブルは DIN レール背後の   熱のエンタルピー(熱源の分散度合)を下げる工夫をす バックヤードに格納されるため制御盤に基本的に横ダクトは ること。 つまり、 密集化により機器のそれぞれの熱源を ない。 PCB 基板と同様、 制御盤も複層化されすっきりしてい 1 つの塊にして熱の滞留を下げ、 制御盤自身の表面積で る。 メンテナンスも、 CP の交換はソケットから引き抜くだ 放熱(排熱)させる構造にする。 けで、 回路増設も予備ソケットが具備されているためそこに  ドイツはホームページのフォーマットを TYPO 3 で標準化 挿入するだけと容易である。 最悪、 基板を交換する場合はソ し、 SAP は国際会計基準を視野に入れた取り組みで世界標準 ケットを外し、 新品と交換するだけのため誤配線の起こりよ を定着しつつある。 そして今、 I 4,0 で製造工程の自動化と標 うが無く、 従ってエンジニアも必要としない。 また、 制御盤 準化を目指している。 やがてこれらのシステムは 1 本の線で は主幹電源の配線以外はマシンとコネクタで接続されるため、 つながり、 爆発的な製造と販売工程の進化を実現し、 人の判 制御盤を開けて結線作業をする必要がなくなる。 むしろ、 誤 断がいらない一気通貫のシステムが出来上がると思われる。 配線による故障を招く恐れがあるため制御盤の開閉を禁止し  日本の制御盤は、 ボトムアップの部分最適にとらわれず、 ているメーカーさえある。 標準化と全体最適の実用論を世界から学びたい。 2
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制御盤・配電盤ナビ 提 言 IoT 時代は制御システムセキュリティ技術が当たり前に - IoT と “Industry4.1J” - VEC 事務局長 ICS 研究所 村上正志  国際プロジェクトの発注仕様書を見ると CE マーク対 ● SCADA / DCS の HMI に侵入し 応、RoHS 対応、Reach 対応、CCC 対応などの要求は納 て制御コードを差し替えて、コ 品する国の法規制に対応するよう求められている。その中 ントローラの制御目標値を変 で IEC62443 対応と書いているものは見あたらず、ISA える。 Secure、ISA-99 対応と書いているものが増えてきている。 ● SCADA / DCS の中で不要な “Industry4.0” が日本で広がっていかない理由はいくつかあ アプリケーションをフル動作さ る。その大きな要因のひとつがサイバー攻撃だ。その課題を せて、制御のアプリケーションを 解決するのがプライベートクラウドをインテリジェントな 妨害する。 ゲートウェイとして位置付けた Industry4.1J である。 ● SCADA / DCS の HMI の画面差し替え   制 御 シ ス テ ム の セ キ ュ リ テ ィ 対 策 に つ い て、NIST ● HMI に異常アラームを表示させる/させない の Guide to Industry Control System Security や ●生産レシピを書き変える。 IEC62443 は、インターネットに接続する業務系ネットワー ●生産データを消す。 クと制御システムや生産システムのネットワークを接続する ●デバイスドライバを消す。 時、その間に DMZ や Firewall を設置することを示してい ● Server のファイルを暗号化してアクセスできなくする。 る。DMZ 設置には 1000 万円から 3000 万円ぐらい必要で、 ● Server のファイルを消す。 Firewallは30万円から60万円クラスまでといろいろある。 ●スタートアップブートを書き変える。 大きなコストがかかる上、これらのセキュア対策製品は、マ  プライベートクラウドを利用すると避けられるのは、イン ルウェア侵入や攻撃コードの検知、通知機能をセキュアシス ターネット接続からの直接攻撃とマルウェア侵入である。侵 テムとして組み上げなければならない。 入パターンに対する個々の対策に加え、インシデントが発生  一方、プライベートクラウドに業務系システムを持つと制 した後の対応作業フローを作成して、必要な作業手順書を揃 御システムや生産システムのネットワークとの間にはイン え、それを実施して対応できることを検証する。定期的にト ターネットが存在しない。制御システムに電子媒体や PC な レーニングをして現場のスキルを一定レベルに維持すること どからマルウェアが侵入した時にプライベートクラウドへマ が必要だ。 ルウェアが侵入して広がらないように Firewall やセキュア ルータは必要となるが、プライベートクラウドに業務系シス 制御システムセキュリティ対策ができる人材育成 テムを持つ方がセキュリティが高く、コストも抑えることが  制御システムセキュリティ対策を現場で実施するために、 できる。Industry4.1J ではこの仕組みを使う。 社内の人材育成を計画的に実施していかなければならない。 その人材育成の計画を作るにも、何をするべきかの全体像が 制御システムを標的にしたサイバー攻撃 見えてこないと難しい。また実際に、アセットオーナー、計装・  制御システムを標的にしたサイバー攻撃のパターンには、 制御システムエンジニア、制御製品開発者にとっての技術的 以下のような攻撃パターンがある。 課題も掌握してセキュア改善を実施していくことになり、そ ● インターネットから侵入してネットワーク上の PC や の人材教育も重要だ。 Server に踏み台を作って、そこへ攻撃コードを送り込ん  インシデントが発生してから学ぶのでは、遅すぎる。まず で、制御コントローラのメモリオーバーを起こさせる。 は人材育成である。それがこれからの企業力になる。これか ●インターネット接続できる情報端末を充電の為に PC に らの時代を企業が生きていくには制御システムセキュリティ 接続して、その端末を経由してインターネットからマル 対策技術を身につけた計装制御システムエンジニアをどれほ ウェアが侵入する。 ど抱えているかによってビジネスの広がりが変わってくる。 ●制御装置がインターネット経由でリモートサービスを受 ICS 研究所(http://www.ics-lab.com/ja/)では、制御シ けた時に、マルウェアを取り込んでしまう。 ステムセキュリティ対策の実践的な人材コンテンツを開発 ●制御システムネットワークに設置しているルータのアッ し、有料セミナーや E-learning 教育ビデオ講座を開設して プデート作業でインターネット接続した時にルータの脆 いる。ぜひ活用していただきたい。 弱性を利用してマルウェアが侵入する。 ●コンフィギュレーション用の PC に送り込んだマルウェ アから DDOS 攻撃をコントローラに加え、制御できなく する。 3
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制御盤・配電盤ナビ 提 言 直流電気を安全・有効に使うための 「電気安全ガイドブック」 一般社団法人日本電気制御機器工業会(NECA)  近年、エネルギーの安定供給や低炭素社会の確立など 故例として、メンテナンスや火災発生時の消火活動での感電 の視点から、先進各国では新エネルギー・環境分野におけ の報告もあり、太陽電池は太陽光が当たっている限り発電 る技術開発や設備投資が活況であり、その代表例としてス し続けることから、アプリケーション特有のリスクが課題と マートグリッドが挙げられます。スマートグリッドは、従来 なっています。 一方向であった大規模な電力事業者の送電と太陽光発電に 代表される分散型の再生可能エネルギーによる発電を双方 電気安全ガイドブック -直流電気システムの安全方策- 向に組み合わせた次世代電力網です。再生可能エネルギー  一般社団法人 日本電気制御機器工業会 (NECA) では、 は直流給電との相性が良いとされ、太陽光発電では太陽電 直流電気システムをベースとするスマートコミュニティが今 池が直流出力であり、風力発電においても大型なものは回 後進展する流れと、そこで想定される制御対象の変化や事 転力から発電された電力を直流に変換するシステムとなりま 業者の多様化による電気システムでのリスクの変化および直 す。更に、蓄電池と組み合わせるシステムでは直流回路の範 流系アプリケーション特有のリスクを見据え、「体系化した 囲は広くなります。通信ビル、インターネットデータセンタ、 電気安全指針」の必要性を認識し、関連法規・規程の調査、 次世代型住宅などでは、負荷機器も直流で受電し交流/直 直流電気システムにおける事故事例の収集と電気安全に関 流の変換数を減らして全体効率を高くできる直流給電システ する課題、また設計者やエンジニアリング担当者向けに啓 ムが普及しつつあり、直流系アプリケーションの急速な拡大 発すべき事項について検討を行い、「電気安全ガイドブック が予想されます。 -直流電気システムの安全方策-」としてまとめました。  一方で、スマートコミュニティの進展、電源の分散化、直  この電気安全ガイドブックは、直流系アプリケーションで 流給電の普及等により電力需給制御対象が変り、また機器 は特に電流が集中している電気キャビネットおよびその周辺 の設計、システム構築、施工、保守、操作などの事業者が の電気安全を適用範囲として、第 1 章で背景・目的・適用範 多様化する事で、電気システムにおけるリスクが大きく変化 囲を示し、第 2 章で国内の関連法規・規程を整理した上で、 することが想定されます。 第 3 章で安全上の課題(直流系の短絡・地絡、感電、雷サー  例えば、再生可能エネルギーを利用した発電システムの ジ、接地)を考察し、第 4 章で各課題に対応した電気キャ 代表例である産業用途の太陽光発電システムは、普及して ビネットの設計指針をまとめた構成としています。各章のは 10 年が経過していますが、近年、電気トラブルを原因とし じめに漫画で主旨を説明することで分かり易さに努め、第 5 た火災が多数報告されています。太陽光発電システムを改め 章には参考にした法規・規程の原文を紹介するとともに課 て電気安全 * の視点から見ると、太陽電池自体の規格は整 題に対する技術的な解説を載せて、より理解を深めること 備されつつありますが、電気キャビネットや電気配線などに を狙いとしています。 関する規格の整備がまだ不十分な状況にあります。また事  一人でも多くの電気キャビネットの設計者、施工者および 関係者の方々に本書を通して「安全」に関心をもっていただ き、直流系アプリケーションにおける電気による事故・障害 の撲滅に少しでも寄与できたら幸いです。 * 電気安全とは、電気に起因する「感電・漏電・火災事故」 などのリスクを回避(低減)するための技術です。 ■お問い合わせ先 (一社)日本電気制御機器工業会 住所:〒105-0013 東京都港区浜松町 2-1-17 松永ビル 8 階 TEL:03-3437-5727 FAX:03-3437-5904 4
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制御盤・配電盤ナビ 潮 流 制御盤・配電盤の 生産性改善と技術伝承 労働人口の減少と固定費上昇が SCM 構築と電気 CAD の導入を加速  制御盤・配電盤の製作にベテラン技術者の減少と人件費 技能の標準化・マニュアル化」を進めている。そのひとつが、 を中心とした固定費の上昇が押し寄せている。 電気と機械の情報を統合して管理できる統合電気 CAD で  日本の労働人口は、15 ~ 64 歳の減少と 65 歳以上 ある。設計―検図―出図―部品手配―製造支援といった一 の人口増加が続いている。特に 2012 年から 3 年間は、 連の流れでエンジニアの作業が容易、かつ工数削減と安定 1947 ~ 49 年生まれのいわゆる団塊の世代の層が 65 歳 した品質確保を実現している。 を迎えていることから生産年齢人口の大幅減少が続いてい  設計データーを一元管理・活用することで、図面作成や る。また、労働人口が豊富で日本に比べ人件費の安い新興 部品表作成を自動化し、各プロセスの重複作業を無くすと 国も、最近は賃金の上昇が続いており、トータルコストの ともに図面管理も容易になる。SCM(サプライチェーン 削減が課題になりつつある。 システム)などと連携することで、部品表から自動的に発  このように取り巻く環境が変化する中で制御盤・配電盤 注もできる。 は生産性の改善と技術の伝承が課題になってきた。  回路図を描いている時などで問題が起きた場合に、ベテ  回路図を見ながら配線し、配線しながら線の長さを調節 ランの設計者はどの部分を修正すればよいかある程度直感 できるベテランの盤製作技術者は年々減少している。特に 的に判断できるが、不慣れであるとその原因がどこにある 団塊の世代の大量退職に伴う技術の伝承は課題のひとつと かを見つけるのに時間がかかることが多くなる。統合電気 いえる。特に大企業に比べて中小企業の方が深刻だ。 CAD は、こうした技術格差の課題にも対応して、設計段  中小企業庁の調べによると、中小製造業の技術競争力低 階でのミスがあれば即座に通知し、ミスのない正しい設計 下の最大の理由は、技術・技能の承継問題であるとしてい 図に直す仕組みができている。さらに、回路図の部品情報 る。中小企業で技術・技能の伝承がうまくいっているとこ を変更した場合、関連するすべてのデーターが自動的に更 ろと、そうでないところを比較すると、「熟練技術・技能 新され、修正の手間を省き、修正漏れを防げる。 の標準化・マニュアル化」を実施している企業の割合は、  また、納入する仕向け地によって異なる電源電圧やオプ 前者で 6 割に対して、後者では 3 割弱となっている。ま ションの有無などを 1 つのファイルで管理することで、管 た、「OJT による人材育成」や「Off - JT による人材育成」 理工数を減らせ、しかも変更が生じた場合でも、すべての に関しても、前者と後者では取り組み実施度に乖離が見ら 図面に修正が反映されることで、図面管理やメンテナンス れる。技術・技能を円滑に承継していくためには、熟練技術・ 工数を大幅に削減できる。 技能の可視化や技術・技能人材の育成などが重要で、技術・  そのほか、配線作業を支援する機能により、配線経路を 技能承継がうまくいている企業では、こうした項目にバラ モニターで1線ずつ詳細に表示することで、回路図が読め ンス良く取り組み、課題を克服してきているようだ。 ない作業者でも容易に配線作業を行える。  制御盤・配電盤製作でも、技術・技能の伝承へ「熟練技術・              (資料提供=株式会社ワコム) 5
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制御盤・配電盤ナビ 潮 流 制御盤・配電盤の配線作業の省力化 実証されるスプリング接続式の優位性 作業性、信頼性で高評価が定着  制御盤・配電盤の配線接続作業の省力化は、小型化や標 になってくる。 準化と並んで重要視されている。世界中で使用されている  JSIA では、「今後、ネジ接続を無くするわけではないが、 端子台の接続方式は、大きくねじ式、スプリング(ねじレス) 日本ではスプリング式が制御配線の基本方式のひとつとし 式、圧接式などに分類されるが、近年採用が増えているの て普及させていく」としている。 がスプリング式である。欧州式とも言われ、日本などで従  さらに、スプリング式が使用される機器の市場がグロー 来から使用されているねじを使った丸・Y 圧着端子台(丸 バル化していることも普及を後押ししている。もともとヨー 端・Y 端)からの切り換えが進んでいる。まだ、高圧・大 ロッパ発の技術がベースになっているので、IEC 規格など 電流や振動の多い用途などではネジ式の使用が多い。接続 の国際規格や、CE マーク、UL を始めとした海外各国、各 信頼性が高いことが大きな理由だ。しかし、ネジ式は配線 地域からの規格要求にも対応しやすい。従来、海外向けの 作業の手間がスプリング式に比べ多くなり、端子部のスペー 機器にはスプリング式、国内向けはネジ式といった使い分 スも小型化という点から難点になっている。 けがされていたことも多かったが、最近はこうした対応を  スプリング式の需要が伸びている理由のひとつに、ネジ 止めてスプリング式に一本化していることが多くなってい 式の「ネジはゆるむ」という点が解消されることである。 る。 ネジ式では施工後の増し締め作業や、輸出などの輸送中に  1つで信号系と電源系に使用できるスプリング式である 振動で緩むといった難点に対し、スプリング式の場合は「バ が、当初は信号線用の 2.5㎟(24A)や 4.0㎟(32A)相 ネ」で電線を常に保持しているため緩むということがない。 当の仕様が多かった。しかし最近はパワーターン式の 150 この機能を検証するため、端子台メーカーでは振動試験、 ㎟(1500V/ 309A 相当)といった製品も販売され、制御 衝撃試験などを行って製品評価をしている。 盤の信号線から産業機械の電力系でも採用が始まっている。  もうひとつは、スプリング式は端子などのネジ部品を使 わないことから、同等仕様の場合で約半分の省スペース化 が図れるとともに、ネジ締めという工数を削減できる。日 本配電制御システム工業会(JSIA)は、個別配線での「ス プリング式」と「圧着端子+ネジ締め」の両接続方式の作 業比較実験をしたが、接続工数はスプリング式が丸型圧着 端子を用いた方式より 31%(熟練者)~ 52%(非熟練者)、 Y 型圧着端子を用いた方式より 22%(熟練者)~ 45%(非 熟練者)の省力化効果が得られることが分かった。さらに、 熟練者・非熟練者の間でも作業時間や接続品質に差が生じ ないということも明らかになった。スプリング式で懸念さ れていた素線のバラケによる接続障害も、接続手順を欧州 式に変更することで回避できるという見通しも立っている。 端子台のスペース比較では、例えば一般的な 20 Aクラス の丸圧着端子台と、欧州式スプリング端子台を比べると、 端子台幅は約 50%小さくなる。また、スプリング式は端子 台の上面から配線するタイプがほとんどなので、丸圧着端 子台ではどうしても必要な、端子台とケーブルダクト間の 配線スペースも削減できる。  端子台の幅方向、配線方向が削減されることで、ボック スや制御盤を今までより小型化でき、その点からもコスト 削減につながる。また、端子台の小型化によって生じたス ペースを使い、そこにPCやPLCなど高機能の製品を入 れ、同じスペースでも製品の機能アップを図ることも可能 6
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制御盤・配電盤ナビ 潮 流 制御盤の国際標準化と 国内メーカーの動向 海外向けを強みとするメーカーも。 着実に進展する国際標準化と小型化  日本の機械装置メーカーが海外への輸出を加速するな 本に招き、東京と名古屋で「制御盤世界カンファレンス」な か、それに付帯する制御盤は海外仕向地の規格に対応でき どを開催したりもしている。 ていないのが現状だ。海外出荷する機械装置も海外の法令  制御業界の動きや、IoT、インダストリー4.0、日本企 を遵守していくことが求められる。今後、日本の機械装置 業に期待する海外のニーズなどの情報を入手して、法令を遵 メーカーは、世界標準規格(UL、CE など)を正しく理解 守するための知識を深め、将来の企業戦略の策定などに結 する事が重要となる。 びつけてもらうものとして行っている。海外の制御メーカー  UL規格は、ULが材料 ・ 装置 ・ 部品 ・ 道具類などから の最新情報を聞き、ブースで各社の製品を見ることができ 製品に至るまでの、機能や安全性に関する標準化を目的と る。機械制御装置の仕向地の法令が学べ、制御盤の今と近 して策定した製品安全規格。 い将来の世界トレンドが分かる。  認証申請するには、所定の見積・申請依頼書に製品の概  制御盤は、各国の規格がISO、IECなどの国際標準規 要資料を提出すると見積書、必要なサンプルリスト、サー 格に近づき、整合化が進んでいる。ただ、日本国内で使う ビス契約書等が送付されてくるので、予約金、署名済契約書、 場合の電源供給方式と、欧米、中国など海外のそれとは電 製品サンプル、製品資料等を提出。評価の結果、適合と認 気的な配電方式が異なる。感電保護対策の回路方式、部品 められると完了通知書が発行される。必要に応じてフォロー 構成も違う。輸出する場合は、それに合わせた設計対応が アップサービス事前説明訪問および初回ロット検査を受け 必要になる。国内仕様の製品は、海外で同じままでは対応 て合格すると申請者にULマークの使用が認められる。 できない。欧州と北米仕様でも互換性がない訳ではないが、  CEマーキングは、EU指令や規則に定められる必須要 コスト的にムダが出るので、構成は分けた方がいいとされる。 求事項に適合したことを示す。CEマークのある製品は、E 日本国内では大企業が中心となり、社内のグローバル仕様 U域内の自由な販売・流通が保証される。 と規格を1次、2次のサプライヤーに展開して対応させよう  適合対策の手続きは、当該製品に適用される指令・規則 と動いている。 を確認し、必須要求事項の確認と適合性評価基準の選択を  また制御盤レスの動きについては、通信を利用したユニッ 行う。 第三者認証機関による適合性評価が必要かどうか判 トによる配線の簡素化、部品の小型化が進み、制御盤自体 断し、製品試験・適合性評価、技術文書の作成などを実施。 が徐々に小型化している。自動で遠隔操作して統合管理が 適合宣言書を作成して完了となる。 行われるようになると部品点数が減り、制御盤の小型化に  機械装置メーカーが海外へ輸出する場合、海外規格を自 つながるという見方もある。一方、大電流を扱う大容量モー ら調べ、その後①コンサルタント会社、②海外規格の設計 ター、ヒーターなどの制御盤は、電源をオンオフするデバイ セオリーを持った設計会社、③海外制御盤製作のノウハウ スが必要となる。デバイスの小型化か、電圧電流の供給方 を持ったメーカー、④ノイズ試験などに代表される評価試 式が変わらない限り、盤が無くなることはないとされている。 験、⑤アフターフォローが行える会社などと連携し、規格対  情報だけを取り扱う制御盤は、パソコンで情報管理すれ 応作業を進めていく必要がある。ULもCEも認証に膨大な ば、そこに存在する必要がなくなる。分電盤のように小さな 手間がかかるのが実態だ。 ものでも済むようになるという意見も出てきている。  そんななか、海外向けの制御盤設計、製品認証やドキュ メントに関するサポート までカバーする企業が出 てきている。  三笠製作所は、工業 用 制 御 盤 のUL規 格、 「UL508A」の認定 工 場で、 北 米・欧 州に 多数の業務提携先を持 つ。2015年10月に は、提携先のドイツ、イ タリア、アメリカの制御 盤メーカーの技術者を日 左が UL、右が CE 対応盤 7
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制御盤・配電盤ナビ インタビュー 制御盤と国際規格 国内と海外の違い 株式会社 UL Japan コマーシャル&インダストリアル事業部 熊谷亨マネージャー/雄谷隆一氏 ―UL規格と御社について教えてください。  UL は、製品の安全試験を行い、UL 規格をはじ め様々な規格を開発してきた第三者の安全科学機 関です。19 世紀末に火災事故の原因とされた絶縁 材料や配線の製品安全試験、評価、認証から活動 を開始。適合が確認された製品に UL マークを付与 し、2014 年度は UL マークの発行数は 220 億に 達しました。世界的に認められている安全認証マー クです。  UL ジャパンは日本市場に対し、電気製品の安全 コマーシャル&インダストリアル事業部 コマーシャル&インダストリアル事業部 認証と、パフォーマンス等を検証するベリフィケー 営業本部 営業部 熊谷亨マネージャー エンジニアリング部インダストリアルセクター エナジー&パワーテクノロジーグループ1 ション、医療機器の安全認証、環境関連の検証、グ 雄谷隆一氏 ローバル展開のための安全に関するアドバイザリー やセミナー等の事業を展開しています。 に適合していないものは使えないなど、慣れるまでハードルを感じる かもしれません。しかし、認証を取るというしっかりした意思があれ ―国内向けと海外向けの盤の規格について、どのあ ば、それもクリアできる範囲のものです。当社はそうした企業をサポー たりが違うのですか? トしていきます。  大きく 3 つあります。 ―制御盤でUL認証を取るためにはどうすれば良いのですか?  1 つめは、北米では、制御盤を構成する安全上重  盤は受託製造の一品ものであることが多く、機種ごとに認証を取得 要な部品には UL 規格への適合が求められます。例 するのは大変です。そこで、申請者様に UL 規格に適合した製品を生 えばブレーカやスイッチ、PLC、インバータ、ト 産できる能力があるかどうかを確認して認証するという形をとってい ランスなどは必須です。キャビネットや電線もそ ます。現在、盤の UL 認証の登録工場となっているメーカーは 14 社 うです。 あります。  見落としがちなところでは、「絶縁材料」です。  認証取得後は毎年 4 回の工場検査を受ける義務があり、認証のト バスバー(ブスバー)を支える樹脂製のパイプや台 レーサビリティを行っています。 も UL 規格適合品を使うように決められています。  とは言え 1 製品だけ UL 認証取得が必要な場合にも認証を取得でき 日本ではほとんど気にされない部分でも、北米では るプランもあります。 決まっていることがあります。  2 つめが、「電線の色分け」です。欧米では規格 ―今後に向けて で色が決まっています。例えば、日本で 3 相電源で  日本と海外は安全の考え方が全然違います。日本は職人気質で個人 赤白青の電線を使うことがあります。しかし北米で の裁量によるものが大きく、海外では仕組みやシステムで安全を守ろ は白は別のところで使うものと決められています。 うという思考です。彼らの考え方や商習慣を知っておくことは重要で、  3つめが、「短絡電流定格」です。制御盤それぞ 最新の規格の動向なども含めて、公開講座やセミナー、WEB でのウェ れに短絡電流定格を持っていないといけないという ビナーなど、さまざまな方法で情報発信を行っています。 決まりがあります。制御盤を大電流が流せる電源に  また IoT やインダストリー 4.0 等で機能安全やリスクアセスメン 接続した場合と、小さな場合では、短絡したときに ト、電磁ノイズ対策といった制御システムのセキュリティや安全への 流れる電流量が違い、制御盤に与えるダメージが異 関心が高まっています。当社はそれらも含めた包括的なサービスを提 なります。その被害を減らすため、北米では各制御 供し、日本の製造業を支援していきます。 盤によって用途が分かりやすく決まっています。 ―色々と違いますね。 ■お問い合わせ先 株式会社 UL Japan カスタマーサービス  国によって電力の環境や品質が異なり、安全に対 住所:〒 105-0005 東京都千代田区丸の内 1-8-3 丸の内 する考え方も国によって違います。それぞれに対応            トラストタワー本館 6 階 しないといけないのは難しいことです。 TEL:03-5293-6200  普段から使っているメーカーの製品でも UL 規格 Email:customerservice.jp@jp.ul.com 8
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制御盤・配電盤ナビ インタビュー ECHONET による HEMS の進化と分電盤 一般社団法人 エコーネットコンソーシアム 望月昌二理事 普及委員長 ―エコーネット(ECHONET)とは何ですか? ルート)運用ガイドライン」  エコーネットは、Energy Conservation and Homecare で、HEMS コントローラと Network の略で、家庭内の機器をつなげるネットワークプ スマートメータの通信プロ ロトコロルのことです。 ト コ ル は ECHONET Lite  90 年代にエアコンなど家電製品にマイコンが搭載さ を実装することが記載され れ、機器同士がつながりやすくなりました。また同時期に るなど、スマートメータの Windows95 などインターネットが普及しはじめ、家電同 標準プトロコルとなってい 士がつながったらより便利になると考えました。それから ます。 メーカーの枠を超え、通信プロトコルを標準化してつなぎ  スマートメータは、2015 年度までに 1116 万台が導入 やすくしようとして始まったのがエコーネットです。 され、2024年には全需要家に普及すると予定されています。  また、蓄電池や太陽光発電、燃料電池、ガス給湯器、エ ―どのあたりが対象になるのですか? アコン、照明、EV 用充電器なども ECHONET Lite 対応に  まず最初にエネルギーマネジメント分野を想定して作ら なる予定で、HEMS 周りは ECHONET Lite でつながって れました。とても軽いプロトコルで、省エネや創エネ、蓄 いきます。 エネ機器とつながりやすくなっています。  2000 年 に ECHONET 規 格 を 策 定 し、2010 年 に ―ECHONET、HEMSが広がり、分電盤はどうなってい はより自由度を増した ECHONET Lite を作りました。 くのでしょう? ECHONET Lite で は、 通 信 媒 体 は 有 線 や 無 線 LAN、  個々の機器についてはメーカさんの考え方次第だと思い Bluetooth など、すでに広く普及しているネットワークを ますが、分電盤は、安全機能とセンシング機能が鍵となり、 使えるようにし、オープン化したことで、家電製品の周辺 2つの可能性があるのではないかと思います。 機器や通信機器、サービス会社など爆発的に会員企業が増  ひとつは、分電盤と HEMS コントローラが一体化してイ えました。 ンテリジェント化する方向。もうひとつは、機器の制御は  2012 年にはスマートハウス標準化検討会においてイン あくまで HEMS コントローラが行い、分電盤は安全面を高 ターフェースとして推奨され、今では HEMS、スマートハ めるためにインテリジェント化するというものです。 ウスを支える中心的な役割を担っています。  前者はスマート分電盤という形で、すでに製品が出てい   ます。分電盤と HEMS コントローラがひとつになり、すべ ―スマートメータとECHONETの関係は? ての回路に分岐電流センサを標準搭載。1 台で機器からデー  2014 年にスマートメータの AIF 認証がはじまり、公共 タを吸い上げてデータを分析し、最適なコントロールを実 性の高いスマートメータは第 3 者が製品の接続性をチェッ 現しています。 クするということが決まりました。スマートハウス・ビル  後者は、太陽光発電システムや蓄電池との連携を強化し、 標準化・事業促進検討会の「HEMS―スマートメータ(B 災害時の停電が起きた際には自動的に自律運転に切り替え、 日常生活に支障をきたさないようにするなどの機能が想定 されています。あくまで制御とは別系統とし、より安全性 やライフラインとしての機能を高めた分電盤としての方向 です。 ―これからに向けて  エコーネットは、もともと IEC に適合した国際規格で、 海外への普及も念頭に入れています。エコーネットは海外 の規格に比べて細かな設定ができ、すでに市場に出ている 対応機種は 100 種類を超えており、HEMS やスマートハウ スは世界でも日本がリードしています。ハウスメーカの中 には海外に HEMS を実装したスマートハウスを売り込もう としている会社もあり、海外に向けても大きなチャンスを 迎えています。 9
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制御盤・配電盤ナビ インタビュー 建築材料・設備機材等品質性能評価事業 公共建築向けの制御盤、分電盤等を評価 一般社団法人 公共建築協会 時田 繁 常務理事 ―貴協会について教えてください うこととなりました。そし  当協会は、国と地方公共団体等の公共建築物の建築等の て、当協会が評価事業を実 事業の合理化と能率化に寄与し、それに携わる技術者の技 施し現在に至っています。 術水準と地位向上を目的として設立された公益法人です。 平成6年3月から「建築材料・設備機材等品質性能評価事 ―どんな製品が評価対象と 業」を実施しています。 なるのですか?電気関連は 何がありますか? ―評価事業とは何ですか?  評価対象は、建築材料と  営繕工事で適用されている国土交通省大臣官房官庁営繕 電気設備機材、機械設備機 部監修の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)、(電気 材の3項目です。電気関連では、分電盤や制御盤、キュー 設備工事編)、(機械設備工事編)」及び「公共建築改修工 ビクル式配電盤のほか、蛍光灯器具、蓄電池、太陽光発電 事標準仕様書(建築工事編)、(電気設備工事編)、(機械設 装置、中央監視制御装置、高圧機器、避雷器、絶縁監視装 備工事編)」(以下、「標準仕様書」という。)に品質及び性 置などの評価を行っています。 能等が規定されている建築材料・設備機材等(以下、「材  評価基準は、品質・性能、品質管理・製造管理体制、納 料等」という。)並びに当協会が重要と認め、指定する材 入体制、アフターサービスの体制の4つの事項について書 料等に係る評価を実施しています。 類審査を行っています。なお、評価の申請条件としては建  営繕工事では工事ごとに使用する材料等が標準仕様書の 築工事における3年以上の使用実績が必要です。 規定に適合していることを確認しなければなりません。し かし、これを行うには書類が膨大で、発注者と工事受注者 ―メーカーにとって評価を受けるメリットは何ですか? に大きな労力がかかります。それに対し、当協会が営繕工  国や自治体の工事発注は、標準仕様書が基準となってい 事で使われる材料等を対象に ます。従って、対象機材の選定において、製造者の品質・ 品質・性能等について審査 性能等の多大な確認業務等は、発注者が実施することとな し、評価基準に適合するも りますが、評価書を取得した対象機材については、発注 のには評価書を交付する 者の確認業務が一部簡素化されるという利点が挙げられま ことで、業務の迅速化が す。 可能になります。  また、民間工事でもこの標準仕様書を基本としている場 合が多く、対象機材が評価済みであれば、発注者の確認業 務が簡素化される為、有利となるメリットはあります。現 実として全国の盤メーカーの多くが対象機材の評価申請を 行い、評価書を受領しています。 ―盤関連の評価の最近の動きと今後について ―なぜ評価が必要なのですか?  最近は、環境対策や省資源などの製品が増えています。  建築物は何十年もの間、安全を維持し続けなければなり 例えば、高圧機器の高圧変圧器(特定機器)が第二次トッ ません。それを実現するために建築基準法や関連法規等が プランナー機器として昨年度法制化され、評価基準に盛り あり、公的機関として、材料・機材等の品質・性能等を見 込まれています。 極める必要があります。従って、材料・機材等について当  評価書は3年ごとに更新を行っています。 協会で評価し公開することで、発注者や受注者は建築物の 更新時には、評価取得後の品質管理・製造管理等の継続性 安心・安全を守っています。 について書類審査を行います。  今後、製造者の方々には、しっかりと地盤を固めて頂き、 ―評価事業がスタートするきっかけは? 継続的に技術を磨き、評価書の取得により受注等につなげ  1980年代末に海外から日本の建設市場に参入したい て欲しいと考えています。 という強い要請があったのが始まりです。当時、日本の建 築は独自仕様が多く、これを統一した製品の性能で判断し て欲しいという声が高まり、国内、国外の別なく評価を行 10
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制御盤・配電盤ナビ JSIA(日本配電制御システム工業会)優良工場認定制度 ニュース 国内78社に拡大  製品認証制度へ移行に弾み 日本配電制御システム工業会は、優れた品質保証体制と優秀な製造技術を有する工場を認 定する独自の制度「JSIA 優良工場認定制度」を 1999 年から実施。現在、国内 78 工場 に広がっている。2017 年からは製品認証制度に移行の予定で準備が進んでいる。  優良工場認定制度とは、 「1. 高水準 級配電盤 ・ 制御盤製図技能士、 1 級配 の場合も補償できる仕組みが整えてあ の品質保証体制の確立と維持」 「2. 配 電盤 ・ 制御盤組立て技能士、 1 級配電 る。 審査を通った後も、 品質保証システ 電盤メーカーとしての高い技術力の確 制御システム検査技士が在籍すること ムの維持、 運用状況の報告義務などが 保」 「3. 製造技術に対する不断のレベ が義務付けられている ( 低圧盤のみの 課せられている。 ルアップ」 「4. 万一の場合の補償体制 製造工場はそれぞれ 2 級の有資格者 )。  これらにすべて合格した工場に優良工 の確立」 の 4 つの基準を満たした工場  また優良工場でいるためには、 常に最 場認定が与えられ、 高品質で安心安全 に対して、 JSIA が認定を与えるもの。 新技術を理解しておかなければならず、 な制御盤を作る企業として認められる。  認定を受けた工場から出荷される製 指定講習会の受講が義務付けられてい  今後、 同制度は品質マネジメント重 品には 「ef マーク」 を付けることが認 る。 さらに、 すべての優良工場は PL 保 視から製品認証へと移行の予定。 現在、 められ、 優良工場で作られた盤である 険に加入が義務付けられていて、 万が一 その準備が着々と進んでいる。 ことがひと目で分かる。ef マークはユー ■全国の優良工場一覧 ザーが配電盤メーカーを選ぶ際の判断 会社名 対象製品 会社名 対象製品 材料の一つとされ、 配電盤メーカーに 朝日電機製作所 本社工場 全て 新星電機 本社工場 全て とっても高い品質と技術力の証明、 ブ 金崎電気製作所 本社工場  全て 朝静光電機工業本社工場 全て 河村電器産業 札幌工場 全て 大電工業 本社工場 ②④⑤⑥⑦ ランドになっている。 現在、 全国で合 札幌制御システム 本社工場 ②④⑤⑥⑦ 大東電機 本社工場 全て 計 78 工場が優良工場として認められ 北海道 繁忠電機製作所 本社工場 全て 中立電機 名古屋事業所 全て 月寒製作所 本社工場 全て 東洋電機 事業本部 神屋一工場(エンジニアリング部門) 全て ている。 中山技術コンサルタント 本社工場 全て 日新電機製作所 本社工場 全て 中 部 日照電機製作所 本社工場 全て 日東工業 配電盤事業部 中津川工場 全て 北央電機工業 本社工場 全て 日東工業 配電盤事業部 配電盤商品部(菊川工場) ⑤⑥⑦ 東北日東工業(旧日東工業 花巻工場) ⑤⑥⑦ 別川製作所 本社工場 全て 東 北 東日本機電開発 本社工場 全て 堀内電機製作所 本社工場 全て 明工産業 山形工場 全て マエショウ 本社工場 ②④⑤⑥⑦ 飯塚電機製作所 茨城工場 全て 名電エンジニアリング 本社工場 全て 宇賀神電機 古河工場 全て 豊電子工業 本社工場 全て  優良工場認定を受けるためには非常 内山電機工業 日野工場 全て 大阪機電 本社工場 全て荏原電機工業 茨城工場 全て 京都精工電機 本社工場・久世工場 全て に厳しい審査をクリアしなければなら 大崎電気システムズ 千葉工場 全て 新岩村電機製作所 本社工場 全て ない。 品質システムだけでなく、 製品 勝亦電機製作所 本社・東京工場 全て 新納電機 高槻工場 全て協立製作所 本社工場 ②④⑤⑥⑦ 菅原電機産業 本社西宮工場 全て の品質や技術力なども審査基準に含ま 関 西久保誠電気興業 本社工場 全て 田中電機製作所 本社工場 ②④⑤⑥⑦ れている。 桑野製作所 本社工場 全て 寺崎電気産業 システム事業 八尾工場 全て白川電機製作所 茨城工場 全て 内外電機 京阪奈工場 全て  品質保証では ISO9001と同一規格 須藤電機製作所 本社・浦安工場 全て 三星電機製作所 本社工場 全て の JISQ9001と同等以上の水準が要 ダイニチ 群馬工場 全て 森井電業 大阪工場 全て関 東 大和電機産業 本社工場 全て 光和電業 本社工場 全て 求される。 配電盤メーカーとして実施す 田原電機製作所 本社工場 全て 中 国 ダイシン電機 本社工場 全て べき具体的な活動項目として約 170 項 電巧社 芝浦工場 全て 徳山電機製作所 本社工場 全て 富井工業所 本社工場 全て イトウテック 本社工場 全て 目の審査を通らないと合格にならない。 内外電機 山梨工場 全て 摂陽明正 本社工場 全て 四 国  設計技術においても、 国際規格と国 日本電機 茨城工場 全て 東邦電機工業 本社工場 全て バンベスト 本社工場 ②④⑤⑥⑦ 光電設 本社工場 全て 内規格にもとづいた製品設計ができる 三浦電機 東港工場 全て 岡住工業 行橋第一工場 全て ことが求められる。 特に現在は、 回路の 明工産業 本社・横浜工場 全て オリエント電機 本社工場 全て 森井電業  茨城工場 全て 大成 本社工場 全て 保護協調や高調波抑制対策、 波及事故 ヨシダ電機 本社工場 全て 長嶺電機 本社工場 全て 九 州 防止対策の実施状況が重点的にチェッ 渡辺電機製作所 東京工場 全て 日東工業 配電盤事業部 唐津工場 全て 勝亦電機製作所 沼津工場 全て バンウエスト 本社工場 全て クされている。 中 部 河村電器産業 暁第一工場 全て 三葉電機工業 本社工場・東那珂工場 全て  さらに製造技術や生産管理、 検査技 三景電機 本社工場 全て 森井電業 九州工場 全て 対象製品 ①高圧閉鎖形配電盤/②低圧閉鎖形配電盤/③高圧開放形配電盤/④低圧開放形配電盤/⑤制御盤類/⑥分 術力も審査され、 高圧盤製造工場は 1 電盤類/⑦端子盤類/全て 11
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制御盤・配電盤ナビ ニュース JECAフェア2015(第63回電設工業展)製品コンクール 河村電器産業、日東工業など12製品入賞 「JECA FAIR2015(第 63 回電設工業展)」(主催・日本電設工業協会= JECA、山口 学会長)の製品コンクールにおいて、河村電器産業の「住宅用感震総合システム」、日東工 業「エネサーチ付ホーム分電盤」など 12 製品が受賞。8 月 3 日に表彰式が行われた。  「JECA FAIR2015」 は、『電設技術が未来を創る 人を 支えるスマート技術』をテーマに、 5 月 27 日から 3 日間、 東京ビッグサイトで開催された。 過去最大規模となる 220 社 ・633 小間出展し、 約 10 万 3413 人が来場。 盛況裏に 終了した。  製品コンクールは、 「電気設備に関連する資材の進歩改良 を促進し、 電気設備技術の向上と電気保安の一層の確保を図 ることにより関連企業の振興と社会生活の向上を資する」 こ とを目的にはじまったイベントで、 今回で 54 回目を迎えた。  各社が優れた新製品で受賞を目指し、 出展メーカー 220 社の 4 分の 1 となる 55 社がエントリー。 耐震、 省エネ、 JECA 製品コンクール入賞会社 省力といった、 電気設備の工夫に繋がる製品が多く、 展示 会テーマの『電設技術が未来を創る 人を支えるスマート技 ■製品コンクール受賞製品一覧 術』に相応しく、 業界の標準化と発展に貢献する取り組み 賞名 製品名 会社名 となった。 国土交通大臣賞 住宅用感震総合システム 河村電器産業  エントリー製 品のなかから河村 電 器産 業 「住 宅用感 経済産業大臣賞 LUPIN ( 地中線地絡事故点探査装置 ) 戸上電機製作所震総合システム」 が国土交通大臣賞を、 日東工業 「エネ サーチ付ホーム分電盤」 が環境大臣賞、 戸上電機製作所 環境大臣賞 エネサーチ付ホーム分電盤 日東工業 「LUPIN( 地中線地絡事故点探査装置 )」 が経済産業大臣 中小企業庁長官賞 ケーブルラック制振システ ム Nsys ネグロス電工 賞、 ネグロス電工 「ケーブルラック制振システム Nsys」 が 消防庁長官賞 該当製品なし 中小企業大臣賞を受賞するなど、 合計 12 製品が受賞した。 労働安全衛生総合 地絡電流抑制装置付き絶縁 ミドリ安全  8 月 3 日には東京 ・ 千代田区のグランドアーク半蔵門で 研究所理事長賞 監視装置 表彰式が開催され、 受賞各社に表彰状とトロフィーが手渡 直流非接地式電路用絶縁抵 東京都知事賞 抗監視器 光商工 された。 「LMD-1」 関東電気保安協会 地絡電流抑制装置付き絶縁 理事長賞 監視装置 ミドリ安全 非常用マグネシウム空気電 日本電設工業協会 池 会長賞 「MgBOX(マグボック 古河電気工業 ス)」 日本電設工業協会 パナソニック 奨励賞 PiPit 調光シリーズ エ コ ソ リ ュ ーションズ社 日本電設工業協会 IP ネットワーク対応イン 奨励賞 ターホン アイホン「IX システム」 日本電設工業協会 三菱 電磁開閉器 MS-T 奨励賞 シリーズ 三菱電機 日本電設工業協会 LED非常用照明器具シ 奨励賞 リーズ 東芝ライテック 日本電設工業協会 高天井用大容量 LED 照明 国土交通大臣賞を受賞した河村電器産業・河村誠悟取締役副会長 ( 左 ) 関電工 と米塚和輝研究開発部長 奨励賞 器具 12
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制御盤・配電盤ナビ 製品紹介 IDEC 株式会社 集合表示灯機種選定システム 制御盤設計者の集合表示灯選定工数削減に貢献  IDEC の SLC シリーズ集合表示灯は、高いシェアを誇っ  IDEC では同様に端子台、リレー、ソケット、レールなど ている。 を簡単にレイアウトできる「組端子台機種選定システム」の  そして一昨年、ホームページから利用できる「集合表示 インターネット版も公開し、制御盤メーカー、装置メーカー 灯機種選定システム」をリリースし、制御盤設計者の工数 の競争力強化を力強くサポートしている。 削減に寄与している。  従来の集合表示灯は「注文書に手書きで仕様を記載」「FAX で注文」が当たり前。  点灯しているイメージは、各設計者の頭の中でイメージ するしかなく、仕様選定のミスも発生しがちであった。  同システムを使用することで、これらの課題を一気に解 決できる。  ホームページ上で仕様を選択することで、簡単に点灯イ メージの確認ができるほか、注文形番、質量、標準価格も 自動で算出する。  そのため、工数削減はもちろん、選定ミスも未然に防ぐ ことができる。選定後は配置図、外形図、CAD 図面もダウ ンロード可能で、システム上で販売店にメールをするだけ IDEC 株式会社 で見積、注文が可能。また、作成・保存した機種選定デー 住所:〒 532-0004 大阪市淀川区西宮原 2-6-64 タを履歴として保存し、流用ができるため、装置やシステ TEL:06-6398-2500URL:http://jp.idec.com/ ムの設計工数削減に寄与する。 製品紹介 相原電機株式会社 小型・軽量化を実現した単相複巻トランス ECL シリーズ 「電源用変圧器メーカーとして制御盤・配電盤業界に貢献」  「センター」ブランドで知名度が高いトランス専門メーカー ライバーでの取り付け作業時も容易で確実な固定ができる。 の相原電機は、単相 / 単巻、3 相 / 複巻の標準トランス、ノ 取り付け寸法も従来品に合わせた設計で容易に置き換えが可 イズカットタイプ、耐雷タイプなど多くのラインアップで顧 能。静電シールド(E)、接地端子(FG)も装備している。 客の要望に応え続けている。  特に従来品と比べ最大 33% の小型・軽量化を実現したト ランス「ECL シリーズ」はユーザーに評価が高いロングセ ラー「YS シリーズ」のモデルチェンジ版で、E(Easy‥平易)、 C(Compact‥小型)、L(Light‥軽い)をコンセプトにし た単相複巻トランス。容積比・重量比ともに大幅削減を実現 している。一次側電圧 210V、二次側電圧 105V の調整タッ プも追加した。  2014 年 11 月の販売開始後、2015 年 2 月に取付作業効 率改善のためのサービスホール追加、同 4 月に 500VA ~ 5kVA のケース入りタイプ、同 5 月に 6kVA ~ 20kVA タ 単相複巻標準変圧器 ECL シリーズ イプの発売をし、さらに同 11 月には入力 400V 系 ECL41 (出力 100V)・ECL42(出力 200V)も発売。顧客の要望 相原電機株式会社 に応えラインアップを強化し続けている。さらに、電圧記名 住所:〒 547-0024 大阪市平野区瓜破 4 丁目 2 番 32 号 表示の明確化を図り、見やすさも追求。取り付け穴をダルマ TEL:06-6707-3456URL:http://www.e-aiharadenki.co.jp 穴(300VA ~ 1kVA)加工にしたため、作業性も向上。ド 13
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制御盤・配電盤ナビ 製品紹介 アルファテック株式会社 ACAD-DENKI」をはじめとした豊富な製品 業界 30 年の経験を反映し、電機製造業を強力にサポート アルファテックは業界 30 年の経験と実績を製品作りに反 路図と実装図の図面を元に、布線情報と測長情報を作成す 映し、電気制御設計CADを中心とした電機製造業の顧客 るシステム。測長結果は CAD 内で確認し変更することも可 を強力にサポートする製品を開発・販売・サポート。設計・ 能。 生産の効率化を実現するソフトウェアを継続して提供する ■ 3D eParts ことで、ユーザーのよきパートナーを目指している。 3D 盤設計を強力サポー 【主な製品紹介】 トする『3D シンボル』 ■ ACAD-DENKI と『部品マスタ』を提供。 設計業務のみならず製造支援に至るまで、顧客のニーズに 保守契約でリクエスト 対応できる電気・制御設計用 CAD システム。制御回路を 部品の作成にも対応可 効率よく作図する専用コマンドをはじめ、豊富な自動処理 能。 やチェック機能、部品抽出や部品表作成に対応。 ■ 3D 盤図 3D による盤作成を支援するツール。簡単な部品配置コマ ンド、ダクト /DIN レール配置、干渉チェック機能を装備。 3Dによる制御盤設計 WIM ブラウザでは、ACAD-DENKI で作成した回路図と 3D 盤図で作成した実装図の相互チェック、同時編集や情報 アルファテック株式会社 更新にも対応。 住所:〒 532-0011 大阪市淀川区西中島 2-14-6 新大阪第 2 ドイビル 5F ■ WiringPLAN(盤配線支援システム) TEL:06-6300-0306 URL:http://www.alfatech.jp CAD 上で制御盤の実体配線のシミュレーションを行い、回 製品紹介 EPLAN Software & Services 株式会社 世界最大の統合電気 CAD 専門メーカー「EPLAN」 「世界標準と Industrie4.0 に対応」  制御盤業界を取り巻く状況が急激な変化を見せている。 製品の設計はもちろん、 製造業のグローバル化に伴い、設計から組み立て、配線、 企業間でのデータ受け 検査、出荷、立ち上げが日本国内だけで完結せず、国境 渡しが発生する場合は をまたいだ最適化が進んでいる。 特にメリットが大きい。  その様な状況で、世界最大の統合電気 CAD メーカー 「EPLAN」が世界中で選ばれている。すでに 4 万 5 千を 超えるユーザーに 11 万ライセンス以上が導入され、顧客 の設計効率・品質の飛躍的な向上に寄与している。CAD としての使い勝手はもちろんのこと、顧客のニーズにあ わせたコンサルティング力がその背景にある。  さらに同社の強みはポータルサイトに存在する 50 万点 を超える部品ライブラリ。電気 CAD と連携することで、 部品が廃盤になった場合のエラー表示、新型式への一斉 置換などが容易にできる。もちろん部品表、結線図、シー ケンス図など多くの図面にも自動反映、自動ワイヤリン グ、ケーブル太さのチェックなども行い、図面の修正モ EPLAN Software & Services 株式会社 レ・ミスを未然に防ぐ。特に制御盤を海外に輸出する際は、 住所:〒 101-0047 東京都千代田区内神田 1-6-6 MIF ビル 9 階 仕向け先にあわせた規格に準拠する必要があり、図面を TEL:03-6273-7869 URL:http://www.eplanjapan.jp 仕向け先に応じ、自動変換することもできるため、輸出 14
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制御盤・配電盤ナビ 製品紹介 オムロン株式会社 スリム I/O リレー G2RV/G3RV シリーズ 「スリム形状で、従来比幅 70% の小型化を実現」  オムロンは「制御盤に新たな価値を。」を掲げ、盤製作に も用意、多様なニーズ おける多様な課題を解決する製品・サービス提供で、ユー に対応し、「制御盤に新 ザーの事業成長に貢献している。 たな価値を。」を実現す  制御盤の主要構成部品「リレー」もそのひとつ。新製品 る。 「G2RV/G3RV シリーズ」は幅 6.2mm と従来比 70% の 小型化を実現。省スペースへの貢献と、設計自由度を飛躍 的に向上。また、搭載しているリレーはプラグイン端子タ イプを使用しメンテナンスをする際の扱い易さにこだわっ た設計となっている。更に、配線工数削減に寄与する「プッ シュイン端子」を採用。ねじを緩める / 締めるという作業 が不要で、作業担当にとってもメリットが大きい。また、 スプリング構造の採用により、接触部が緩まず、まし締め 作業がいらない。振動がある現場でも緩みを気にせず使用 でき、保全担当者にとっても心強い。もちろん CE、UL な ど国際規格も取得済。オムロンの販売ネットワークを通じ、 北米・欧州・アジアなどで現地調達も可能。基準形の他、 オムロン株式会社 早く簡単に動作確認ができる「ラッチングレバー付き」、金 住所:〒 600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入  メッキ接点で接触信頼性が高い「微小負荷用」、高速で高頻 TEL:075-344-7100 度な開閉に対応する「ソリッドステート・リレー(SSR)」 URL:http://www.fa.omron.co.jp/ 製品紹介 河村電器産業株式会社 制御盤用キャビネット 「強度、錆対策など基本性能が大幅にグレードアップ」  河村電器産業は、電気と人と環境のよりよい関係のため、 サービスで、制御盤設計者を支援する。 「安全・安心」という事業領域のもと、配電・制御・通信な ど様々な分野の製品を提供している。  主な製品品目として、配電用分電盤、制御盤、住宅用分 電盤、キャビネット、ブレーカ、高圧受電設備、情報通信 機器収納ラック、省エネ・情報通信機器などがある。  また、太陽光発電をはじめとする「創エネルギー」の分野、 HEMS、BEMS、MEMSといった「EMS(エネルギー マネジメントシステム)」の分野、さらには、近い将来に期 待される「直流電路システム」の分野への挑戦を進めている。  制御機器分野では、制御盤用キャビネットを大幅にグレー ドアップした。  強度・錆などの基本性能が向上し、高品質になった。屋 外用キャビネット、屋内外兼用キャビネット、コントロー ルキャビネットなどの各種製品がリニューアルされた。  さらに、制御盤キャビネット設計を手助けする支援シス 河村電器産業株式会社 テム「e@ssist(イー・アシスト)for キャビネッ 住所:〒 489-8611 愛知県瀬戸市暁町3番86 ト」がスタートした。 TEL:0561-86-8111 URL:http://www.kawamura.co.jp/ キャビネットの穴加工・見積・発注が簡単に出来るweb 15
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制御盤・配電盤ナビ 製品紹介 篠原電機株式会社 「薄型防噴流ギャラリー(ガラリ)GTS シリーズ」「盤用 LED 照明 CLED シリーズ」 未来を築く先端技術で、幅広い分野の配電資材をつくる  高い技術と企画力で幅広い分野の配電資材をつくる篠 を感じず、設計・保全両方の担当者の使い勝手を徹底的に 原電機は、盤用パーツとして「構造材」「ポスト」「配線 考慮した製品になっている 結束資材」「銅バー・渡りバー」「パッキン」など、多く のラインアップで顧客ニーズに応えている。なかでも「薄 型防噴流ギャラリー GTS シリーズ」と「盤用 LED 照明 CLED シリーズ」は特に評価が高い。  ギャラリーは制御盤・配電盤・キュービクルの換気のた めに重要なパーツであるとともに、フィルタや素材、耐環 境性など、盤の設置環境にあわせた選定が必要。同社の「薄 型防噴流ギャラリー GTS シリーズ」は悪環境でも使える IP45 を確保しながら、奥行き寸法の大幅なダウンサイジ ングを実現。インナーパーツの効果でフィルタ面が風雨 にさらされにくいため、雨天時でも換気能力が落ちない。 また前面からフィルタのメンテナンス作業が行える。  また、盤用 LED 照明 CLED シリーズは取り付け方法が 多彩。「端子台型」、「ユニット型」「マグネット型」などか 篠原電機株式会社 ら最適なタイプを選定できる。蛍光灯に似せたフラットな 住所:〒 530-0037 大阪市北区松ヶ枝町 6 番 3 号 面発光と、LED 素子とレンズの最適化で眩しさを抑える TEL:06-6358-2655URL:http://www.shinohara-elec.co.jp ことに成功し、盤を開けた際も、作業している際も眩しさ 製品紹介 株式会社新愛知電機製作所 盤と機器の2事業でノウハウ共有 「HEMS・スマートエネルギーのソリューション提供」  新愛知電機製作所は、電力を建物内に最適に配電する ション②次代のニーズをとらえ、付加価値の高い製品開発 配電盤などを生産する「盤事業」、電源の切替により停電 から生まれた次世代型制御盤「AIMOS(アイモス)」 を防ぐ電源切替開閉器などを生産する「機器事業」の二 ③日東工業グループの一員として新しい価値を創造する― 本柱で無停電に貢献している。 などの施策で前進していく。  盤事業では、一品モノを仕上げるオーダーメイドが特 徴。色や寸法からお客様の細かいニーズに応えるメーカー として独自の強みを確立している。また、盤事業に加え て機器事業も展開している企業は業界でも珍しく、両事 業のノウハウが相互に作用することで、スピーディーな 対応と高い技術力を実現。製品は、有名施設をはじめ、 大手メーカー工場、学校、官公庁、銀行、病院など、様々 なところで活躍している。  2007 年に日東工業グループの一員となり、事業基盤 がより強化され、さらなる躍動を目指す。また、電路から 信頼・安心社会へ貢献し、独創性・創造性を豊かに “ グロー バルなものつくり企業 ” を目標としている。 株式会社新愛知電機製作所 さらに、①業界最小クラスの電源切替開閉器「CMAC 住所:〒 485-0802 愛知県小牧市大字大草字年上坂 5953-1 (シーマック)」を発売、技術を組み合わせて、HEMS・ TEL:0568-68-8301 スマートエネルギー関連の課題解決に取り組むソリュー URL:http://www.aichidnk.com 16