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レポート:「製造業のIoTとデジタル化について ーFANUCとシスコの協業ー」

ホワイトペーパー

2016年7月29日(金)に「IoT World Conference」にて、シスコシスムズ(同)とファナック(株)がセッションを行いました。そのセッションの内容をまとめたレポートをプレゼントします。

<レポート内容>
・スマートファクトリーへの注目と期待
・製造業・IoT化を阻む課題
・シスコが注目する「コネクテッドマシン」とは
・セキュリティと深層学習について
・ファナックとシスコが共同で開発する『FIELD system』

このカタログについて

ドキュメント名 レポート:「製造業のIoTとデジタル化について ーFANUCとシスコの協業ー」
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 996.8Kb
登録カテゴリ
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Page 1:製造業の IoT とデジタル化について‒FANUC とシスコの協業‒2016.07.29「IoT World Conference」「スマートファクトリー」と「IoT の発展」について、前半はシスコシステムズ合同会社の鈴木氏が、後半はファナック株式会社の稲葉氏が講演を行った。<前半>シスコシステムズ合同会社専務執行役員戦略ソリューション・事業開発担当鈴木 和洋氏産業機械メーカーとの連携が活発に。ファナックとの協業もその1つ冒頭、鈴木氏は日本の製造業と IoT について語った。シスコの取組みを見ても、現在最もIoT 化が進んでいる業界は製造業であるという。「過去の事例でいえば Apple や IBM といったIT 企業同士の提携がほとんどだったのですが、ここにきて産業機械メーカー、しかも日本企業との提携が非常に活発になってきています。その中の1つがファナックさんで、グローバルレベルで重要な提携先という位置付けです」スマートファクトリーへの注目と期待上の写真は、シスコの調査部門が計算した数値。IoT を実装したときの経済価値について、日本では製造業が最も大きな可能性を持っている業界であるという結果が出た。さらに以下が、シスコがとある調査会社と組んで、世界中の製造業企業の製造部門の責任者に「製造部門は IoT の何に期待していますか?」とインタビューした結果。Q. IoT の何に期待していますか?・不具合の削減(49%)・ダウンタイムの低減(48%)・在庫回転率の改善(35%)

Page 2:・設備総合効率の向上(16%)このように、世界で見ても工場の IoT 化に関してさまざまな期待が寄せられているという。製造業、工場の IoT 化を阻む課題一方、製造業、工場の IoT 化を阻む課題として以下の 3 つが挙げられ、これらを解決するためのソリューションを提案したいという。・工場内のネットワークがバラバラ・つなげることでセキュリティのリスクが増大する・現場から出てくる膨大なデータを効率よく管理する方法がないシスコが注目する「コネクテッドマシン」さらにこうした状況を受けて、シスコが価値を提供できるビジネスオポチュニティは「コネクテッドマシン」にあるという。「世界中の工場には 3000万台ものマシンが入っていて、そのうちの 90%はネットワークで接続されていません。そして 70%のマシンが15 年以上使用され、老朽化しています。実はデータもマシンごとに取っているものの、そのうちの 99%が保存されているだけで活用されていない、といった状況です」現在つながれていないものをつなぎ、そしてそこから効率的、かつセキュアにデータを取っていく。そこで分析してフィードバックしていく。これだけでも大きな価値が生まれるはず。そしてこうした取組みをすでに実現している企業が出てきており、シスコとファナックの取組みもその 1 つであるとのこと。ファナックとの取組みについて最後に、現在ファナックを含む 4 社で開発を進める『FIELDsystem』について、次のように語った。「ロボットだけでなく CNC、ファナックさん以外の機器からのデータも含めてすべて収集して、それを分析したり、あるいはダッシュボードで見せたり、アプリケーションが動くよう

Page 3:なプラットフォームを提供するといったような、非常に新しい取組みです。ここでのシスコの役割は、エッジ側で処理する Edge-Heavy コンピューティング環境を提供するということです。具体的にはスイッチやサーバー、IoT ミドルウェアといったプラットフォーム関連のソリューションを提供します」ファナックが持つ業界トップクラスの技術力、知見、実績、そしてシスコが培ってきたコネクティビティとセキュリティ、IoT を実現するためのデジタルプラットフォーム、世界中の工場に届けられるグローバルなネットワークを組み合わせることで、製造業のデジタル化に向けて積極的に支援していきたいと締めくくった。<後半>ファナック株式会社専務取締役ロボット事業本部長稲葉 清典氏「ファナックが考える IoT 時代に対応したこれからのものづくり」と題し、シスコと協業で開発を進める『FIELD system』を中心に解説を行った。「ZDT(ゼロダウンタイム)」について冒頭、稲葉氏は『FIELDsystem』の一番最初の成果として、すでに多数の実績がある ZDT(ゼロダウンタイム)について説明した。「ZDT は『故障予知』『故障診断』の 2 つの機能でできています。この『故障予知』はロボットや機械の基本部品が壊れる前に検知し、壊れる前に交換しようというものです。たとえばロボットの部分はギアの部分が壊れると交換に時間がかかるのですが、工場が稼動していない時間帯に事前に交換することによってダウンタイムを避けることができます」

Page 4:これを IoT で拡張しており、すでにアメリカの自動車会社の工場で事例があるとのこと。「すべてのロボットとネットワークでつながっており、その内部データがゼロダウンタイムのサーバーに入ってきます。このデータを用い、お客様によってはロボットや機械の状態を検知し、モニターしながら使っています」さらに積極的なユーザーになると、「監視サービス」まで利用しているという。これはデータをファナックのデータセンターに飛ばし、ファナック自身が入ってきたデータをもとに異常がないかをチェックし、もし異常が見つかった場合にはユーザーに知らせ、さらに交換する部品を自動的に発送するというもの。故障する前に部品を交換できる。IoT は次のステップへさらに、IoT には以下の 2 つのステップがあると説明した。1.センサー、ロボット、機械がつながり、そこから出てきたデータを見れるようにし、それを使っていくこと。2.上記のデータを活用し、機械自身が自律的に動いていくこと。現在は、人工知能を使いながらロボット自身が自律的に動いていくという段階に入っており、それこそが『FIELDsystem』が次に目指すべきところであるという。セキュリティと深層学習についてシスコの鈴木氏と同様、稲葉氏も製造業の IoT化においてはセキュリティ面で課題があると指摘。「データをあげていくそのこと自体はそんなに難しくありません。しかしセキュリティを保ち、そして機能を持った製造現場にあるようなハードウェアを供給することは異なります。製造現場は非常に過酷な現場。高い信頼性とセキュリティが必須となり、だからこそ我々はシスコさんと協業させていただいているわけです」さらに、自律した機械を実現するためのアプ

Page 5:リケーションは、リアルタイム性を持ちながら機械同士が人工知能で会話をしていくような「深層学習」といったツールが非常に重要なものであることから、PreferredNetworks と協業を行っていると説明した。『FIELD system』の最大の特長『FIELD system』のコンセプトは、既存の機器でも役立つところだという。「新しい機能を出すと、展示会などで『この機能はうちの機械でも使えますか?』と聞かれることが多くあります。機械が 5 年、10 年と過ぎてしまうと残念ながら『ハードウェア側も更新してください』とお伝えすることが結構あるのですが、今回は『FIELDsystem』というところでさまざまなアプリケーションが実行できるようになります。極端な話をすれば、モーターの動作以外はこの『FIELD system』で実行して問題ありません。こうした形をとることによって、古い機械やロボットでも、『FIELD system』につないでさえいれば、アプリケーションが実行できるのです」つまり、すでに設置されている既存の機器であっても新しい機能を使うことができる。なお『FIELD system』自体がオープンプラットフォームのため、さまざまな工作機械やロボットメーカー、センサや周辺機器メーカー、アプリケーションの開発メーカーがアプリ開発・販売可能。すでに基本仕様のリリースを終えており、2016 年 12 月には初版をリリース予定とのこと。製造業の未来を考える IoT を活用したビジネス創出セミナーIoT World Conference開催:2016 年 7 月 29 日(金)会場:JP タワーホール&カンファレンス主催:株式会社ナノオプト・メディア